【地域金融関係者向け】組織課題解決ワークショップ@オンライン・第31回


組織課題解決ワークショップ@オンライン・第31回を開催しました

2026年08月31日
2021年から継続して開催している「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第31回を開催し、地域金融機関関係者を中心に8名からお申し込みをいただき、当日の参加は6名となりました。

参加者の主な属性は次のとおりです。
・居住地:栃木県、群馬県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県
・所属:地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、その他
今回は、認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね(以下、たらちね)の鈴木薫さんをゲストにお迎えしました。冒頭、鈴木さんからたらちねのこれまでの取り組みについてご紹介いただきました。

たらちねは、2011年の東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、福島県いわき市で設立されました。放射能測定事業を軸に、保養、甲状腺検診、クリニックの運営、心のケアなど、被災した地域の暮らしに寄り添う幅広い事業を展開しています。

震災から15年目を迎えた今、助成金の減少やこれまで支えてくれていたファンド担当者の高齢化等が重なり、2024年度、2025年度と2期連続で決算が赤字となりました。震災直後の「緊急支援」フェーズはすでに終わりつつある一方、支援を続けるかどうかを改めて考え直さなければならない局面にあるといいます。

これまでは借入の経験がありませんでしたが、地元の金融機関や日本政策金融公庫からの借入に至った経緯が共有されました。鈴木さんは、金融機関の方と話す中で、これまで自分自身が「お金を借りること」に対して卑屈になっていたことに気づいたといいます。あわせて、ソーシャルビジネスの事業者が金融機関からの借入に苦手意識を持ちやすい背景も実感したそうです。

現在は、1,500名ほどのマンスリーサポーターに支えられて活動していますが、団体としての「見せ方」や広報の難しさが今後の課題として挙げられました。

たらちねの活動は学会での査読付き論文発表に至るなど高い専門性を備えている一方、原発というテーマ自体が企業にとって扱いづらく、海外からの取材は多いものの、国内の主要メディアで取り上げられたことはほとんどありません。

今回は、こうしたたらちねの現状を踏まえ、「たらちねの活動をどう社会に伝え、支援を広げていけるか」について考えました。
質疑応答より(一部抜粋)

Q. 国や東電が運営資金のサポートをなぜ行わないのでしょうか? 政治家を巻き込んだロビー活動も必要ではないですか?
⇒福島県には国から復興予算が入っており、復興庁の出先機関もあります。心のケア分野には1,000万円規模の予算もありますが、公的な補助金・助成金にはこれまで一度も採択された実績がありません。ロビー活動の必要性を意識し始めたのはここ1年ほどのことで、まずは測定データの信頼性を高めることが前提になると考えています。

Q. 現状の数値はどのような状態なのでしょうか?
⇒定点観測を続けており、汚染濃度は上がってきています。寄せられるサンプルがあり、全国各地の数値も観測しているのですが、原発事故が起きていない地域でも高い数値が出る海域はあります。魚介類への影響を心配される方も多いと思いますが、健康に害が出るような数値は確認されていません。ただし、汚染水の放出が今後も続くことで、長期的にどのような影響が生じるかはまだわかりません。

Q. たらちねの活動に対して抵抗感を持つ人は、どのような抵抗感を持っているのでしょうか?
⇒被災地の実情への理解不足に加え、活動の中心を女性が担っていることへのジェンダーに対する反発のような感覚があるのではないかと感じています。私たちは反原発団体だと思われがちですが、たらちねクリニックの利用者には東京電力の従業員のご家族も多くいらっしゃいます。東電のご家族の方も強く非難されたり、心に傷を受けており、原発事故の被害者は一様ではありません。地元では「白か黒か」では割り切れない複雑な感情があります。

質疑応答後、3人1組の小グループとなり、「あなたがたらちねを支援するなら、何に取り組むか?」を考えてもらいました。その後、個人ワークとしてアドバイスを記入いただきました。その一部をご紹介します。

●子育てサポートやメンタルケアにも相当の価値があると思います。震災で受けたショックが大人になってから表れてくることへのケアは、地元に住み続ける人だけでなく、全国的な課題と言えるかもしれません。そうした側面を、ロビー活動を通じて社会課題として認識してもらうこともあるのではないでしょうか。

●本来は国が長期にわたってデータを収集すべき課題を、民間団体が担っているのが実情です。国や国立研究所からの業務委託を受けて検査や監査を行うなど、中立的な立場を前面に打ち出していくことで、誤解が解けていくのではないでしょうか。「よい」「悪い」で語るのではなく、地震や火山活動、気象データを観測する団体と同じように、客観的なデータを収集する団体として広報していくと、風評も和らぐように感じました。そうしたデータに関心を持つ研究者は世界中にいるはずなので、その目に留まるよう論文を発表し続ける地道な取り組みこそが、急がば回れの近道になるのではないかと思います。

最後に、みなさんに寄せていただいたアンケートの声を紹介します。

参加者アンケートより(一部抜粋)

●すごい行動力としなやかな強さを感じました。

●震災から15年が経ち、2歳だった子どもも17歳になり、当時の放射能の記憶も風化しつつあります。そんな中、必死に子どもたちの健康や子育てサポートに取り組んでいらっしゃる方々がいることを知り、大変感銘を受けました。参加して本当によかったです。

●難易度の高い課題ですが、今後も起こりうる、国民全員の問題です。

●たらちねさんが取り組んでいることを「当たり前」のこととしてみんなが認識し、支えていけたらと思いました。

最後に鈴木さんに感想を伺ったところ、「この問題をさばいていける国になってほしい」と力強くおっしゃった一言が印象的でした。

次回の第32回は、2026年11月に開催予定です。みなさまのご参加をお待ちしています。

現在の支援金額 8,000 円

支援者 8人

残り時間 終了

本プロジェクトは、ログインしてお気に入り追加や支援をすると、「活動報告」更新時に通知メールが届きます。
また、支援者による支援の申し込みが完了した時点で、凸と凹登録先が支援金の提供を受ける契約が成立するものとします。


1,000 円

8 人

配送方法:メール

●『お金の地産地消白書2020』を持っている方
(1) 「組織課題解決ワークショップ@オンライン」参加者限定のFacebookグループページへのご招待

2,000 円

0 人

配送方法:郵送

●『お金の地産地消白書2020』を持っていない方
(1) 「組織課題解決ワークショップ@オンライン」参加者限定のFacebookグループページへのご招待
(2)『お金の地産地消白書2020』1冊