組織課題解決ワークショップ@オンライン・第8回を開催しました
2022年03月26日
2021年から奇数月に開催する「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第8回には、12名の地域金融関係者のみなさまにご参加いただきました。
参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:栃木県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、愛知県、岐阜県、和歌山県
・所属:第二地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、その他等
ゲストにはNPO法人葵風の月東佳寿美さんと柴田恭子さんのお二人をお招きしました。
葵風は、愛知県岡崎市で家庭生活支援、放課後等デイサービス、子ども食堂などの事業を通して、困難な状況にある親子の支援に取り組まれている団体です。子どもとその親と接する中で金銭管理がうまくできていないと感じる場面があり、今回は「子ども(と親)のお金の教育(金銭管理等)をどうしたらよいか?」をテーマにしました。
3~4人1組のグループで宿題のプレゼンテーション動画に対する感想や質問を話した後、月東さん、柴田さんにみなさんから出た質問に丁寧に答えていただきました。以下のようなやり取りがありました。
●Q:解決できずに最も悩んでいることは?
⇒かかわればかかわるほどいろいろな問題が出てくるが、子どもたちはどんどん成長していってしまう。最終的な目標は、子どもたちが自立して生活できるようになること。子どものうちからかかわっていかないと、自立に結びつかないと感じている。
●Q:葵風のサポートによって、親御さんや子どもたちが変わっていったストーリーは?
⇒暴力的な面があった子がとても落ち着いて、穏やかになった。親御さんもよく理解してくれて、活動に協力してくれている。ヤングケアラ―で、兄弟間でケアをしていて学校に行けなかった子が、行けるようになったケースもある。
●Q:葵風のかかわり方がよかったから変化が起きた?
⇒毎月第3土曜日に子ども食堂を開催するなど、「いつも見ているよ」「気にしているよ」と民生委員さんも含めて伝えるようにしている。親御さんが変わってきたのを感じている。周囲とのつながりがなくなってしまった家庭をつなぎ直すことを意識している。
その後、再び小グループで葵風の組織課題をどうしたら解決できるかを話し合っていただきました。個人ワークでアドバイスを書いていただくと、参加者のみなさんから、さまざまな提案が届きました。
●ひとをサポートすることと同様に、ひとからサポートをもらうことにも貪欲になっていただきたいです。自分たちですべてを解決しようとはせず、金融機関や地域の営利・非営利の企業や団体との連携を強めて、トータルで地域をサポートできる体制へと発展していってほしいなと思います。
●ホームページ上やSNS上で5分くらいのショート動画などをアップすると、資金提供者・スタッフともに集まりやすくなるのではないかと思います。また、資金面に関してはホームページ上に寄付のご案内を書くだけでも変わると思うので、広報を担当できるような方にも入っていただけると、今よりもできることが広がるのではないかと感じました。
●親御さんとの対話の機会、モチベーションアップにつながる成果の可視化、外部で同じような活動をしている団体や運営メンバーの方々との対話の機会があるといいですね。
最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。参加者のみなさんが葵風の話を通じて、「自分たちに何ができるか」を真剣に考えてくださったことを実感しました。
●やっぱり団体の方から直接話を聞く機会は大切だと思いました。融資担当として話を聞くとできないことばかりが浮かんできますが、いろんな人と話しながらだと解決につながる糸口が見えてくるような気がしました。団体の代表者がどのような思いで活動しているのかを対等な立場で聞くのは、支援する側にとって最も大切なことだと再認識しました。
●自分は、自分たちの組織はそこまでできているのかと自問できた。「寄付集めが難しいのはまだまだ声掛けやPRができていない」と木村さんも言われていたが、そうだと思いました。PRを手伝ったり、そういった活動をちゃんと地域にPRしていくと、組織はうまく回っていくと思います。
●地域での根深い問題を学ばせてもらいました。いつもそのような話をお聞きすると、地域金融機関は役に立っているのか? と懐疑的になります。もっと社会的な視点を持つ必要があると感じました。
次回は2022年5月11日(水)夜に、一般社団法人全国重症児者デイサービス・ネットワーク代表理事の伊藤毅さんをゲストに開催します。ワークショップ当日に相談したい組織課題は「重症心身障がい児者・医療的ケア児者とその家族が住み慣れた地域で暮らしていくためには?」を予定しています。
ソーシャルビジネス支援に関心のある地域金融機関役職員のみなさまのご参加をお待ちしています。
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