地域連携によるこどもの社会参画プロジェクト

こんにちは。NPO法人寺子屋方丈舎でフリースクールの運営を担当している鈴木篤と申します。寺子屋方丈舎は「こどもの社会参画」をミッションとして1999年に設立され、以降フリースクールやこども食堂、環境教育など、こどもを中心に置いた多様な学びの場を運営しています。

私がこの活動に取り組むに至るまでには、いくつかの転機がありました。初めは、高校生の頃に知った中東の紛争と民主化に関する学びから生まれた、「理不尽はなぜ生まれるのだろう」という疑問とモヤモヤとした感情です。その疑問を持って入学した大学では、自身で行動してみようと取り組んだフィリピンを中心とした東南アジアにおける活動を通し、こどもの貧困を目の当たりにしました。卒業後はこどもが貧困にさらされるという理不尽について考えたくて、困窮世帯のこどもの学習支援に取り組みました。そして、こどもそれぞれが抱える悩みや生きづらさに触れる中で知ったのが、学校が合わずに悩むこどもたちの存在でした。
「不登校」というと、大人の多くは明確な原因や理由を求めがちです。いじめや学習の遅れなどを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。もちろんそういった要因もありますが、多くの場合はわかりやすい理由がなく、こども本人も言語化できません。追及され、答えられずに困っているうちに、「本人のこころの問題」「がんばれば大丈夫」という結論が周囲の大人によって出されがちです。しかし、本当はこどもの形(興味・関心や意見、あり方)と学校の形(提供される教育)が合わないことに原因があります。

画一的、一方的に提供される教育だけでは、こどもたちが自分の関心を深める学びや、自分を主役に置いた生き方を考えられるようにはなりません。そして、その教育にはまらないこどもは振り落とされていくことになってしまいます。振り落とされ、学びの場を失ったこどもは、「どのように社会に参画していくか」を考え、学ぶ場を失ってしまいます。

だからこそ、こどもが主体となって参画し、こどもが自ら選択してつくる学びの場、そしてそれぞれの方法での社会への参画を模索していける学びの場が必要だと考え、フリースクールでの活動に至りました。

この問題の解決に挑む私たちの志は、以下の記事をご一読ください。
凸と凹「登録先の志」No.20:鈴木篤さん(NPO法人寺子屋方丈舎 フリースクール担当職員・理事)
1.何が問題か?

★困りごとを抱えた当事者:福島県内、主に会津地方と郡山地域の不登校(※)生徒児童(小〜高校生)
※不登校とは、年間で30日以上学校を欠席している状態を指す。学びの機会の喪失と意欲の低下、それによる社会参画の機会喪失がひき起こることを困りごととする。
★困りごとを象徴する数字
(1) 令和2年度の全国の小中学校の不登校生徒児童数:244,940名【出典:令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 】
(2) 小中学校の不登校生徒児童数の割合の推移:0.47%(平成3年度)、1.13%(平成17年度)、2.05%(令和2年度)、2.57%(令和3年度)【出典:同上】
文部科学省の定義する「不登校」の小中学生は年々増加の一途をたどり、現在では全国で約24万人に上ります。これは、1クラスにおおよそ1人はいる計算になります。

「不登校」のように、こどもが学びの機会を失ってしまうことの問題は、単純な学力等の課題だけではありません。こどもが社会参画に向けた学びを得る機会を失うことが大きな問題です。

ここでいう社会参画(※)とは、「自身と周囲について主体的に考え、自身の意思決定のもと行動すること」と考えています。そして、こどもの意思決定とは、こどもの興味・関心に基づいてなされるものであり、その機会が失われることは、こどもの自己肯定感や意欲が低下してしまうことを、活動を通して感じています。結果として、学校外の学びの場が得られないことは、自己決定の力が育まれず、こどもの社会参画の困難さにつながっていくのです。

私たちは、学校外の学び場を模索するこどもたちの選択肢として、フリースクールにおけるこどもの興味・関心を尊重したプログラムを提供することにより、こどもが自己決定のもと自分と周囲にとってよりよい方法で社会に参画できることをめざしています。

※ロジャー・ハートはこどもの参画について、「こどもが主体的に取り掛かり、大人と一緒に決定する」ことを最高の段階としている。ここでいう社会参画とは、自身と周囲について主体的に考え、自身の意思決定のもと行動することと捉える。
2.誰と解決するか?

★先行事例:
・東京シューレ王子:多くのスタッフの参画により、教科学習のほか、音楽、スポーツ、料理、哲学、プログラミングなど多くのプログラムを選択できる
・福井スコーレ:一緒に前を向ける仲間を探し、その子らしい育ちを作るフリースクール。音楽、科学、アートなどに長けるスタッフの参画により、多様なプログラムを用意している。
学校外の学びを選択するこどもたちを支える存在として、保護者はもちろん、学校・行政や教育委員会管轄の学習センター、通信制高校などが存在します。保護者が「不登校」になったこどもや、親としての自身を責めるのではなく、こどもの選択を尊重し学校外の学びを応援することは、こどもが安心して学べる環境づくりにつながります。また、フリースクールや通信制高校、学習塾は現在でもこどもたちの学びの場となり、こどもを支えています。

しかし、こどもが社会参画に向けた学びを手にするためには、不足しているピースもあるのが現状です。それを地域の力で埋めていくことが、今後必要ではないかと考えています。

まずは、こどもや保護者にとって、学校外の学びの場がより身近になる必要があります。それには、学校や行政のみなさんの理解を深め、協働していくことが重要です。

そして最も必要なのが、こどもたちを主役に置き、それぞれの興味・関心をもとにしたプログラムを行うための力です。多様なこどもたちの関心を伸ばしていくことは、寺子屋方丈舎の力だけでは成し遂げることができません。私たちとともに学びをつくる存在が必要です。

だからこそ、私たちはこどもの学びをつくる存在として、地域の企業・団体にも仲間入りしていただきたいと考えています。さまざまな特色や能力を持つ地域の企業等と連携し、【ものづくり】【プログラミング】【キャリア教育】など、こどもそれぞれの興味・関心を深め、模索し、将来を考えられるプログラムをこどもに提供していくことで、足りないピースを埋めたいと思います。
3.どう解決するか?

★ビジョン(ありたい社会の状態):こどもが自分で考える力を身につけられる社会
※不登校が問題にならない社会:フリースクールをはじめとする多様な学びの場が、通常の選択肢として存在し、こどもが自由に選ぶことができる
★ミッション(寺子屋方丈舎の役割):こどもが社会参画する機会をつくる。
私たちは、課題解決の先にあるめざす未来として、「フリースクールの学びを通し、こども・地域・保護者が参画し合う地域社会」を掲げています。これは、地域の企業や人びとと保護者が私たちとともにこどもの学びをつくることで、こどもの成長プロセスに参画し、その結果としてこどもも自分の意思で社会に参画していく力をつけていくことができる、相互関係にある社会です。

その未来に向けた私たちのミッションが、こどもが社会参画する機会をつくることです。この社会参画の機会づくりにおいては、【こども】【保護者】【地域社会】の3つの変化と、そのための活動が必要だと考えます。

【こども】
必要な変化:能動的に自身のための学びを選択し、自身の力で社会参画の方法を選択できる
【保護者】
必要な変化:こどもの学びを尊重して周囲に広めながら、自身のことも尊重し、社会に参画できる
【地域社会】
必要な変化:こどもは社会にとって必要な人材で、大切なコミュニティの一員としてとらえることができる

この変化のために必要な活動が、【地域連携によるこどもの社会参画プロジェクト】です。このプロジェクトにおいて、私たちは地元企業との協働のもと、こどもの関心を深めていくための「社会参画プログラム」「冠プログラム」を実施していきます。また、フリースクールの利用費を負担できないこどもの存在を鑑みた奨学制度、学校・行政等との連携による情報発信イベントの実施も合わせて実施することにより、こどもの学びをともにつくっていける地域社会へと変化していくことをめざします。

これらの活動により、こどもの成長のみならず、地域社会も変化し、学校外の学びの場を「社会に必要な人材を育てる場」として認識することで、こどもをコミュニティの一員として捉え、社会参画につなげられる地域社会をつくりたいと考えています。
4.“志金”のつかいみち
上記の「どう解決するか?」を実現するために、2023年度はみなさまからご支援いただいた“志金”を活用し、以下の活動に取り組みます。

活動(1) :「地域連携によるこどもの社会参画プロジェクト」を開始し、地元企業のみなさまなどと連携し、こどもの社会参画に向けた学びのプログラムを実施します。
活動(2) :「受益者負担(利用費負担)が困難なこどもを地域で支える奨学制度」を開始し、経済的要因により学校外の学びを選択できないこどもをサポートします。
活動(3) :学校・行政・他団体との連携による不登校に関する発信イベントなど、困りごとを抱えたこども・保護者の、学校外の学びの場への入り口を身近なものにします。
不登校のこどもは、時代の変化とともに増加しています。それは、変わりゆく社会の中で柔軟に変化するこどもと、平等に教科学習の場を提供する学校教育の不変性が合致せずに、あふれ出ていることによる現象です。この現象において、「どちらが悪いのか」を論じることに意味はありません。それよりも、こどもがこどもの心のままに変化し、成長できる学びの場が用意されることは非常に重要なことと考えています。

こどもは成長し、いずれこの社会をつくる大きな力になります。つまり、こどもに学校外の学びの場が用意され、自分と周囲、そして社会を大切にしながら行動できるだけの力を得られることは、地域社会の未来にとっても不可欠です。

だからこそ、私たちは多様なこどもが多様な形の学びに触れ、主体的に考え行動する力を蓄えて社会参画するための手助けをしていきたいと考えています。そのために、こども、地域社会、保護者がつながり合い、互いに参画し合う社会を実現できればと思います。そんな社会の実現に向け、こどもの未来のためのサポーターとして応援してくださる方とお会いできれば、とてもうれしく思います。
5.伴走支援者の声

寺子屋方丈舎の理事長・江川さんには7年ほど前に一度、地元で金融関係者とのネットワークをつくりたいということで、勉強会の講師にお招きいただいたことがありました。そのご縁から、金融機関職員が半年間応援するWILL2022@オンラインの支援先募集をご案内したところ、ご応募いただき、支援先として選定するに至りました。

そしてこの半年間、本プロジェクトの立ち上げに向けて奮闘してくれたのが、会津若松のフリースクールを担当するあつしさんでした。

プログラム開始前後は宿題等の提出が遅れることもありましたが、あつしさんは責任感が強く、一人で抱え込みやすい傾向があることがわかってくると、支援チームのメンバーも「もっとチームに頼りましょう」と伝えるようになりました。その結果、チームみんなの力で、プロジェクトを立ち上げることができたように思います。

「自分のことは自分で決める」を大切にする方丈舎さんだからこそ、「フリースクールのことはフリースクールで決める」ように、江川さんはプロジェクトの立ち上げをあつしさんに託したのだと感じています。でも、フリースクールはこれからの地域や社会にますます欠かせない取り組みです。自立とは「依存先を増やすこと」とも言います。地域や社会のことだからこそ、地域や社会にもっと頼って、自立するプロジェクトへ一緒に育んでいきましょう!(木村)

支援者 1人

このプロジェクトは目標金額の達成有無にかかわらず、支援者がプロジェクトに支援を申し込んだ時点でプロジェクトの成立(売買契約の成立)となります。またこのプロジェクトは月額課金型になります。


500 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書
(3) 寄付者向け活動報告イベントご招待

1,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書
(3) 寄付者向け活動報告イベントご招待

2,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書
(3) 寄付者向け活動報告イベントご招待

3,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書
(3) 寄付者向け活動報告イベントご招待

5,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書
(3) 寄付者向け活動報告イベントご招待

10,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書
(3) 寄付者向け活動報告イベントご招待