2021年から奇数月に開催する「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第17回には、地域金融関係者9名のみなさまにご参加いただきました。
参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:群馬県、東京都、神奈川県、長野県、福岡県
・所属:信用金庫、信用組合、労働金庫、政府系金融機関、その他等
認定NPO法人光楽園の尾籠信義さんをゲストに開催しました。光楽園は、福岡県北九州市で認定こども園や児童発達支援、放課後等デイサービス等を運営しています。
今回のワークショップのテーマは、「今年度の寄付者1,000人を達成するために、全職員や利用者と寄付募集に取り組むには?」でした。
3人1組のグループで宿題のプレゼンテーション動画に対する感想や質問を話した後、尾籠さんにみなさんから出た質問に丁寧に答えていただきました。以下のようなやり取りがありました。
●Q:光楽園の強みは何ですか?
⇒一つ目は職員の力。子どもと一緒に楽しむ力がすごいと思う。支援者という強いしばりがありがちだが、職員も自由で、よい意味で子ども。二つ目は保護者との距離感が近いこと。保護者も含めて「みんなファミリーだよ」と伝えている。困っている親がいたら、何か手を差しのべるようにしている。
●Q:事業に対して共感を得るために、動いていることはありますか?
⇒現場で子どもや保護者に対して全力で向き合うことは引き続きやっていく。関係機関との情報交換も積極的に行うようにしている。昨年度、200名以上の方から寄付を集めた時に、以前の利用者からご寄付があり、お礼を伝えたら「こちらこそありがとう。おかげさまで子どもがすくすく成長している。」という言葉をもらった。感謝の連鎖を職員も経験している。
また、毎月第四土曜日は1日会議をして、職員との共有の時間を大切にしている。職員の声から始まって、今も継続している。
その後、再び小グループで「あなたが光楽園の役員なら何に取り組むか」を話し合っていただき、それを踏まえた個人ワークではアドバイスを書いていただきました。「高齢者」というキーワードを多くの方が書いてくださいました。
●子どもたちと一緒に、今までつながっていないネットワーク向けにイベントを行う(ラジオ体操に集まる高齢者向けに子どもたちと一緒に活動紹介、金融機関の営業店で活動紹介等)
●高齢者の参加を呼びかける(私の孫的なかかわり、朝ご飯の調理、子育てに関する親の相談、寄付など)
●「寄付をする・してもらう」の関係にとどまらず、相互に課題を解決し合える関係を築くことができる取り組み、結果的に寄付者の増加や寄付の継続、「地域まるごとファミリーネットワーク」の構築につながると考えました。例えば、寄付いただいた高齢者や老人ホームなどの高齢者ネットワークと子どもたちが一堂に会するイベントを行うことで、高齢者の孤独問題の解決や、保護者が子育て経験のある高齢者への相談の場の提供にもつながるのではないでしょうか。
最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。
●さまざまな立場の方と語り、考えることで新しいアイデアが湧いてくるプロセスが楽しかった。
●光楽園さんの取り組みを伺い、「関係性の構築」を丁寧にすることの重要性を改めて感じました。また、他の方のご意見やご質問を伺い、私自身の視点が広がり、深い学びへとつながりました。
次回の第18回は【番外編】として、2023年11月25日(土)午後に岐阜県岐阜市で、過去の組織課題解決ワークショップ@オンラインでゲストにお招きした「いぶき福祉会」「ORGAN」「ひだまり創」の現場を訪問するツアーを、初めてリアル開催します。
3つの団体を半日で回れる貴重な機会となっていますので、ぜひご参加ください。お申し込みはこちら 。
組織課題解決ワークショップ@オンライン・第17回を開催しました