【地域金融関係者向け】組織課題解決ワークショップ@オンライン・第26回


組織課題解決ワークショップ@オンライン・第26回を開催しました

2025年06月15日
2021年から開催する「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第26回には、地域金融関係者等5名のみなさまにご参加いただきました。

参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:群馬県、東京都、神奈川県、長野県、熊本県
・所属:地方銀行、第二地方銀行、労働金庫、その他等

NPO法人支援センターあんしん(以下、あんしん)の久保田学さん(まなぶさん)をゲストに開催しました。あんしんは、重度の知的障がいがある現会長の三女が、養護学校卒業後に日中通える場所が自宅の近くになかったことを受け、会長が当時経営していた会社の空きスペースを借りて利用者さん2名からスタートしました。2002年に法人化し、現在は働く場所や重度の方の通所サービス、空き家を活用したグループホーム等を運営し、延べ165名の障がい者の地域生活を支える活動をしています。

今回のワークショップのテーマは、「設立から23年、法人を率いてきた会長から事業承継するには?」でした。会長はとてもお元気ですが、現在76歳のため、次の世代にどうつないでいくかを考えていく必要があります。会長は建設業関係の仕事をしていたため、建物をつくる・直すといったことが得意で、地域の空き家を大工さんと一緒に改修し、コストを抑えることができています。まなぶさんは病院のソーシャルワーカーとして働いてきたという経歴で、会長のような采配はできないため、どうしたらいいかを相談したいと、このテーマが設定されました。

以下のような質疑応答のやり取りがありました。

●Q:今後伸ばしたい事業は? 今後も施設を増やしていく? 移住者も受け入れていきたい?
⇒高齢化に伴い、介護保険の方にシフトする動きもあり、利用者は減ってきている。近くに苗場や湯沢があり、インバウンドの影響はまだまだあるが、コロナ禍で大手のクリーニング屋が撤退していて、クリーニング難民が出てきて死活問題になっている。地域の現状を踏まえて、私たちが発展することによって地域に貢献できるのではないかと考えている。請け負う金額も以前と違い、「いくらでもいいからやってほしい」という声に変わってきており、障害者の方の工賃を上げる絶好の機会になってきている。
●Q:会長がいなくなったら困ることは?
⇒お金の面(金融機関からの借入)にほとんどかかわれていないこと。経理面は一応見ているが、しっかりと見ることができていない。どちらかと言うと、そちらの部分の承継が問題としてある。
●Q:まなぶさんの次はどう育てていく?
⇒子どもはまだ小さいけれど、小6の次女が看護師になりたいと言っている。本人に気があれば、引き継いでもらえたらと思っている。ただ、その頃には十日町の人口減少はもっと進んでいると思う。


その後、「あなたがあんしんの役職員なら、何に取り組みますか?」を参加者のみなさんに考えていただきました。個人ワークでアドバイスを書いていただいたので、一部を紹介します。

●承継に関する課題解決:ハード面や技術・オペレーションなどはアウトソーシングか仲間の力を借りることで実現可能。財務面は、まなぶさんと会長とのコミュニケーション強化を前提として、(1) 現状の金流を継続、(2) 金融機関に事業内容をきちんと伝えて事業性評価してもらうことを進めてはいかがでしょうか。
●先行事例の佛子園さんは、金沢という恵まれたマーケットに存在していますので、同じように地方で成功されているモデルはあるのか? などを知りたいと思いました。(他エリアにもあんしんさんのような事例が存在していることを知ることができれば、それこそ、金融機関もあんしんされるのではと思いました。)
●経営方針発表会などの場に複数の金融機関を招待し、共感をもって支援してもらえる金融機関を発掘すること(複数で競わせる)。県内の他のNPOとの交流も増やし、県内NPO同士の連携、統廃合も視野に入れることで、中長期的な県内での役割を明確にしていくこと。それらにより、あんしんの活動に共感する金融機関は出てくると考えられる。個々の金融機関の動きが悪くとも、地方創生に関心ある金融機関職員はいるので、そうした職員を仲間に巻き込むことで資金調達のアドバイザーをつくっていくこと。

最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。

●参加してじっくり話を聞けば、やはり「参加しておいてよかった」といつも思います。(だからこそ、もっと参加者が増えるとよいですね。)
●理念倒れにならず、しっかりと持続可能な事業を部門ごとに運営されていること。創業者の財務管理の力も大きいと感じた。その部分の承継が鍵であり、個人での対応が難しいのであれば、金融機関や税理士を巻き込んで財務面の態勢づくりをすれば万全でしょう。
●障がいを持つ方の支援と合わせ、地域課題を解決するソーシャルビジネスをつくり上げている取り組みに驚きました。経営理念を毎日読み上げて職員と共有し、強固な組織をつくり上げているのだと推察いたしました。

次回の第27回は、2025年8月に開催予定です。ぜひご参加ください。

現在の支援金額 12,000 円

支援者 11人

残り時間 終了

本プロジェクトは、ログインしてお気に入り追加や支援をすると、「活動報告」更新時に通知メールが届きます。
また、支援者による支援の申し込みが完了した時点で、凸と凹登録先が支援金の提供を受ける契約が成立するものとします。


1,000 円

10 人

配送方法:メール

●『お金の地産地消白書2020』を持っている方
(1) 「組織課題解決ワークショップ@オンライン」参加者限定のFacebookグループページへのご招待

2,000 円

1 人

配送方法:郵送

●『お金の地産地消白書2020』を持っていない方
(1) 「組織課題解決ワークショップ@オンライン」参加者限定のFacebookグループページへのご招待
(2)『お金の地産地消白書2020』1冊