いぶきファミリー(社会福祉法人いぶき福祉会会員)

いぶき」は1984年、岐阜市で障害のある人の無認可小規模作業所として誕生し、1994年に岐阜市初の障害分野における社会福祉法人を設立しました。障害のある人とその家族のねがいからうまれ、私たちはそのねがいに丁寧に寄り添い、尊厳と人権を守り続けてきました。現在は利用者197人、職員177人で生き生きとした生活を目指して活動を行っています。

しかし、福祉をめぐる情勢は年々と厳しい状況となっています。1,103兆円(2019年3月末時点)の国の借金による福祉予算の削減、障害のある人の所得保障(当法人の場合、1か月の利用者の給料は平均1万円程度)など課題はさまざまですが、これからも障害のある人の支援をより深く、より豊かにしていくためには、公金だけでは限界があり、それを補えるだけの財政基盤が必要です。

いぶき福祉会会員(いぶきファミリー)はいぶき福祉会の活動を支え、より地域の方やその活動との結びつきを深めていくためのものです。仲間やその家族の一人ひとりの願いにもとづき安心できる居場所をつくり、生活や活動を通して思いを育み、たくさんの方とつながっていきたいと思っています。その営みがいぶきの枠組みを超えて人と人を結び、共感と協働を生み、誰もが安心して暮らせる寛容な社会の実現につながると考えています。
1.何が問題か? ~現状と取り組みたいこと~

ここからは、いぶきの取り組みの中で、特に仲間のねがいを重点にした「いぶき寄り添いひろがるプロジェクト」をご紹介します。

いぶき福祉会が誕生して30年がたとうとしています。当時特別支援学校の高等部を卒業したばかりの仲間も50歳に近づき、作業所作りに奔走した保護者の方も高齢になっています。そんな中、私たちが取り組んできた課題のひとつが「親なきあとの仲間の暮らし」です。

地域で暮らすために支援が必要な成人期の障害のある人や、在宅で家族と同居していて、福祉サービスを利用している人はたくさんいます。2018年3月「第5期岐阜市障害福祉計画」によると、岐阜市在住の知的障害のある人の7割が自宅生活を希望するも、主な支援者が支援できなくなった時、施設入所やグループホームの利用希望が5割を超えています。また、知的障害のある人の主な支援者の61.5%が父母で、そのうち60歳以上が42.5%を占めているのが現状です
障害のある人には、自分の思いを表現することが難しい人が多くおられます。就学から卒業の進路といった人生の選択において、ほとんどの場合は、ご家族が決定をすることになります。家族は本人にとって、できるだけよい暮らしをと考えていますが、地域での暮らしを支える福祉サービスの質と量(地域資源)が足りないために、思い通りの暮らしを選べない人もいます。また、自分の思いを表現できている障害のある人でも、今までの経験以外のことを想像することは難しかったり、地域の資源を知らないために、周りから見ると不十分な暮らしをしている人がいます。そのことに本人だけでは気づくことはできません。何も準備しなければ、家族の疾病や死亡などといった緊急時には、さらに本人抜きで本人の暮らしが決まってしまうという負のサイクルに陥ってしまいます。
負のサイクルから抜け出すためには、本人の意思にとことん寄り添い、本人の願いを十分に聞くことが重要です。地域や暮らしのことを一緒に学んでいき、本人の願いを引き出し、本人の望む生活のイメージを一緒につくっていきます。そうすることで、自分の暮らしを自分で決める力をつけていくことができます。

そして、本人が望む暮らしを実現するためには、家族や支援者、ひとつの事業所だけではできないことや既存の福祉サービスだけではできないこともあります。さまざまな人や団体や制度の枠組みを超えて、居住や就労、所得、余暇などの生活条件を整えていくことで、本人が望む暮らしは実現できるようになります。
その暮らしがモデルとなり、地域で暮らす人が増えれば、使われている資源が公的に必要なものとして認められやすくなります。本人の望みから地域で暮らすための福祉サービスの質や量が充実していき、住みよい地域になれば、地域の中で自信や誇り、役割意識を持てるようになります。

私たちは、障害福祉支援の原点ともいえるこの「意思決定支援」の活動を、本人の望む暮らしづくりに丁寧に位置付けていきたいと考えています。
2.誰と解決するか? ~実現にむけての協働~

障害のある人が意思決定に基づいた暮らしを実現していくには、きめ細やかな支援のネットワークが必要です。本人の給料と年金で暮らしていけるように、就労支援事業所や年金事務所、行政、社会福祉協議会等との連携が必要です。また、地域でいきいきと暮らしていくためには、相談支援事業所やヘルパー事業所、ショートステイ事業所、医療機関等も欠かせません。さらには、地域の理解や共感を育むために、地域の各種団体等を通した地域住民との交流も重要です。障害のある人の暮らしを支えていくために、他機関との連携を積極的に働きかけ、信頼関係を築いていきます。
◎先行事例:社会福祉法人訪問の家(神奈川県横浜市)―重い障害のある方の願いをとらえて地域生活を実現させる実践を長く行っている。
3.どう解決するか? ~私たちが描いていること~

こうした、「いぶき寄り添いひろがるプロジェクト」(意思決定支援)を含めた仲間のねがいの実現の過程にある様々な課題を、協働して解決していこうと考えます。

★ビジョン(ありたい社会の状態):どんな障害のある人も、生き生きと暮らしていける地域社会

★ミッション(私たちが果たす役割):障害のある人とその家族、職員、地域の人たちが力を合わせて、以下の役割を担う。
・労働を通して障害のある方の発達を保障する。
・障害のある方の生活体験を広げ、人間らしく豊かな生活を目指す。
・障害のある方の権利保障を追及する。

★アクション:3つの活動
(1) 暮らし・相談支援~いのちと生活を支える
暮らしの質を向上させ、仲間とご家族が安心できる環境づくりと支援を行います。そして、仲間が地域で実現したい暮らしを選び、いきいきと暮らしていけることをめざし『寄り添いひろがるプロジェクト』(意思決定支援)を実行していきます。仲間が自分の暮らしを自分で決めること、家族と暮らしを考える活動(「親心の記録」作成、学習会)を進めます。

(2) 日中活動支援~思いを育み、役割を作る
仲間たちはモノづくり、表現活動、販売活動など様々な取り組みのなかで気持ちを表現し自分たちの役割を果たし、社会の一員として誇りを感じ生活していきます。そして、自身の給料と年金で暮らしていけるように、いぶきで販売する商品が地域で認められ、必要とされることをめざします。仕事にやりがいを感じ、価値を高め、さらに需要が増えていくような好循環を生み出していきます。

(3) 地域交流~つながり、価値を創る
障害に関係なく、地域の人同士がお互いに認め合う寛容な地域をめざし、地域の人たちと交流する機会を増やしていきます。
4.“志金(会費)”のつかいみち

社会福祉法人の基本的な運営費は公的財源でまかなわれます。しかし、わたしたちの目指すものを実現するには、十分ではありません。寄付や会費は活動の推進力になります。多額の資金が必要な施設や備品、車両などが整備でき、その分運営費を仲間の活動や職員体制の充実にあてることができます。地域協働を積極的に展開できるのも、こうした財源のおかげです。また、運営費は仲間の給料にはできません。そのため、仲間が生産や販売などで関わる事業をより魅力あるものにし、仲間の給料を増やせるよう努力を重ねています。
2023年度もみなさまからご支援いただく“志金”を活用し、次の活動に取り組みます。

(1) 会報・ホームページ120万円
会報誌(年2回)や年次報告書、メールマガジン、ホームページでいぶきの様子をお届けします。
(2) 地域交流80万円
イベントを実施したり、農業やお菓子づくり、アート活動などのいぶきの取り組みを一緒に行ったりして、地域の方々交流する事業を行います。また、いぶきを支えてくださるみなさんや協力団体とともに交流や地域の課題を考えていきます。
(3) 環境整備200万円
仲間の活動や仕事にかかわる設備や環境を整備します。
(4) 積立200万円
仲間の将来の通所施設やグループホーム等の建設、既存の建物の修繕に備えて積立をします。
私たちの願いは、障害のある人もない人も、誰もが生き生きと暮らしていける地域をつくることです。でも、地域に暮らす人や岐阜市の障害のある人全員の幸せを、私たちだけの力でつくりあげることはできません。

2030年、当団体に関わるみんなが地域で生き生きと暮らすことができていたら、その地域は誰にとっても住みやすい地域になってきているはずです。日常の暮らしで障害のある人を見かけることは多くなってきたと思いますが、やはり少数派です。社会的弱者と呼ばれる人たちが生き生きと暮らしていけるということは、地域の中で小さな声も大切にした丁寧な対話が積み重ねられたということ。お互いの声を聴き、お互いに助け合える社会づくりに、そのスタートとしてこの活動に参加してみませんか?
5.伴走支援者の声

いぶき福祉会は2021年度に新たな会員制度を設置しました。法人設立以来、思いを寄せてくださるファミリー会員の輪は広がり続け、1,000名余の方とのつながりができました。障害福祉の拡充に取り組み続けてきたいぶきの原動力そのもの、という言葉の通り、そのつながりにいぶき福祉会の活動は後押しされてきたのだと感じます。

それだけのつながりが生まれている中で制度を移行するというのは、いぶき福祉会にとってとても大きな決断だったと思います。それでも「会運営の安定をはかり、より地域の方やその活動との結びつきを深めていくため」と移行を決意された背景には、社会福祉法人の基本的な運営費は公的財源でまかなわれますが、目指すものを実現するには十分ではないという危機意識があります。

障害のある仲間に寄り添い、挑戦し続けるいぶき福祉会の活動を「会員」としてぜひ応援してください。(長谷川)

支援者 76人

本プロジェクトは、ログインしてお気に入り追加や支援をすると、「活動報告」更新時に通知メールが届きます。
また、支援者による支援の申し込みが完了した時点で、凸と凹登録先が支援金の提供を受ける契約が成立するものとします。
なお、本プロジェクトは月額課金型になります。


500 円 /月

配送方法:郵送

●いぶきの想いや活動を綴った会報と報告書、いぶきの仲間たちからささやかなプレゼントをお届けします。
(1) 会報誌(4月・10月)
(2) いぶき福祉会年次報告書 (7月)
(3) いぶきオリジナル商品(年1回)

1,000 円 /月

配送方法:郵送

●いぶきの想いや活動を綴った会報と報告書、いぶきの仲間たちからささやかなプレゼントをお届けします。
(1) 会報誌(4月・10月)
(2) いぶき福祉会年次報告書 (7月)
(3) いぶきオリジナル商品(年1回)

3,000 円 /月

配送方法:郵送

●いぶきの想いや活動を綴った会報と報告書、いぶきの仲間たちからささやかなプレゼントをお届けします。
(1) 会報誌(4月・10月)
(2) いぶき福祉会年次報告書 (7月)
(3) いぶきオリジナル商品(年1回)

5,000 円 /月

配送方法:郵送

●いぶきの想いや活動を綴った会報と報告書、いぶきの仲間たちからささやかなプレゼントをお届けします。
(1) 会報誌(4月・10月)
(2) いぶき福祉会年次報告書 (7月)
(3) いぶきオリジナル商品(年1回)

10,000 円 /月

配送方法:郵送

●いぶきの想いや活動を綴った会報と報告書、いぶきの仲間たちからささやかなプレゼントをお届けします。
(1) 会報誌(4月・10月)
(2) いぶき福祉会年次報告書 (7月)
(3) いぶきオリジナル商品(年1回)

250 円 /月

配送方法:郵送

●いぶきの想いや活動を綴った会報と報告書をお届けします。
(1) 会報誌(4月・10月)
(2) いぶき福祉会年次報告書(7月)