放デイ:親子支援の難しさ
2024年09月26日
こんにちは。放課後等デイサービスの柴田です。
本日は利用者さまのご家族とのやり取りについて思うところを少々。
放課後等デイサービスは支援が必要な児童の療育を行う施設ですが、それと同時に、子どもの生活の大部分を占める存在である家族への支援も行っています。
生活の中にちりばめられた何気ない言動が、お子様が育っていく上での重要な糧になるためです。
具体的には、放デイでどのように過ごしているかの情報伝達はもちろん、親御さんの困りごとの相談を受けたり、「環境整備にこういう工夫をしてはどうですか」「こういった言葉がけをすると活動しやすいようです」といったアドバイスをしたりします。
そしてそういった話の中には、どうしても、ご家族にとって耳に痛い内容も含まれてしまいます。
皆さんは障害受容という言葉をご存知でしょうか?
ざっくり言うと、障害を持つようになった人がそれを受け入れられるようになるまでのプロセスのことです。
段階は以下の通りです。
①ショック期 →「え? つまり、どういうこと?」
②否認期 →「そんなことない、何かの間違いだ!」
③混乱期 →「どうして自分がこんな目に…何をしたってどうせダメなんだ」
④解決への努力 →「ずっと落ち込んでいても仕方がない、やっていけるよう頑張ろう」
⑤受容期 →「これが私、これからも幸せに生きていける」
こうした段階を踏んでいく速度は人によって違い、ある段階からなかなか抜け出せず長く苦しい思いをする方もいれば、周囲が驚くほどの速さで受容期にたどり着く方もいます。
これは衝撃を受けたご本人の性格や性質によるものですから、速いと良い、遅いと悪いというものではありません。
こうした段階は、障害を持つ方ご自身だけでなく、ご家族も同じようにたどっていくことになります。
放課後等デイサービスは小学生から高校生までの児童を対象とした支援なので、具体的な療育の内容や支援方法については(当然ご本人の意向がメインになりますが)、ご家族(特に保護者の方)の意向も大きなウエイトを占めます。
実際の療育の場では物事をポジティブに受け止められるよう、必要に応じて言い換えることが基本ではあるものの、ご家族からしてみればあまり聞きたくないだろう事柄を伝えなければならない場面も出てきます。
ご家族は先に示した段階のいずれかに置かれた状況のまま、そうした現実とも日々向かい合っていかねばならないのです。
その際にご家族が抱える負担ははかりしれませんが、とはいえ時間は待ってはくれません。
特に児童は一日一日で大きく成長するため、ご家族が受容期にたどり着くまでただ待つというわけにもいかず、ご家族は大なり小なり受け止める容量を圧迫された状態で未来を見据えた判断することになります。
我々もご家族のそうした状況に対する配慮は行っていますが、人によっては必要なことをどうしても受け止めきれず、過剰に反発したり、ふさぎ込んでいたかと思えばやり取りを回避するような行動に出てしまうなど、日々対応難しさを実感しています。
実際に間近で見る児童たちの療育だけでなく、彼らを取り巻く周囲への支援も同時進行していくことは、重要であるとともに非常に困難なことです。
明確な答えのない問題ですが、できるだけ円滑な支援へとつなげられるようこれからも邁進していきます。