2021年から奇数月に開催している「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第11回には、地域金融関係者の17名のみなさまにご参加いただきました。
参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:愛知県、神奈川県、岐阜県、熊本県、埼玉県、千葉県、東京都、栃木県、長野県、新潟県、山梨県
・所属:第二地方銀行、信用金庫、信用組合、その他等
ゲストにはNPO法人わくわーく理事長の小橋祐子さんをお招きしました。
わくわーくは福岡県北九州市で「心と体の健康と住みよいまちづくり」をめざして、地域コミュニティ活動や障がい福祉サービス事業所を運営している団体です。今回のワークショップでは「地域金融機関がわくわーくと『協働』するなら?」がテーマでした。
3~4人1組のグループで宿題のプレゼンテーション動画に対する感想や質問を話した後、小橋さんにみなさんから出た質問に丁寧に答えていただきました。以下のようなやり取りがありました。
●Q:金融機関と一緒に何がしたい?
⇒これまであまり金融機関とお付き合いがないため、要望は特にないというか、力の借り方がわかっていない。福祉事業所のことを地域の人にもっと知ってもらいたいと思っている。つないでくださること、知らなかったところと知り合いになれることを期待している。
●Q:何にこだわって活動している?
⇒精神障がいの方への正しい理解が広がるようにしたい。当事者の方だけにかかわっても、一般の人には伝わらない。「恐くないの?」と周りの人に訊かれたりする。企業からの仕事依頼ではさみを使う作業があった時、「はさみなんか置いてあって、危なくないですか?」と言われたことがある。偏見、差別をなくしていきたい。
●Q:障がい者の工賃アップも課題としてある?
⇒「目標の指針を出して」と国から言われるが、工賃を着実に上げていける人とゆるやかにやっていく人とさまざまいる。その人に合わせていく必要がある。お金が入ってきてもやりがいがなかったら、と思ったりもする。
その後、再び小グループで「あなたがわくわーくの役員なら、何に取り組むか」を話し合っていただき、その後の個人ワークでアドバイスを書いていただきました。
●一人ひとりの特徴(好きなこと、得意なこと、苦手なこと)をキャラなどで表現してはどうでしょう。障がいを持った人と持っていない人ではなく、「○○さん(ニックネーム)と私」という近い関係づくり。そのためにも利用者さんの声をなるべく聴いて、どこが安心できてワクワクするのか、周りも一緒に感じられると、グッと距離が近づくかなと思いました。
●成功事例はたくさんあると思うので、請負仕事ではなく、今いるスタッフの方や利用者の方の特徴を生かしたスモールビジネスを生み出せるといいのかなと思いました。事業の整理や、どんな強みを生かしていくかを考える部分に対しては金融機関が関わる余地がありそうです。
●地域の伝統工芸品など、地域にとって必要だけど、後継者がいない事業者との結びつきをつくるといいと思います。
最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。わくわーくさんのさまざまなことにチャレンジする姿や、重たい課題にも明るく前向きに取り組まれている姿に感銘を受けた方がたくさんいらっしゃったのが印象的でした。
●障がい者の方への偏見を目の当たりにし、障がい者の方のことを正確に知ってもらい、お互いの安心につなげたいという想いから、さまざまな事業者と連携・業務請負を通して、カミクルPJやバンブーブーンPJ等を生み出すところまで成長されたこと、並々ならぬ苦労もあったかと思いますが、本当にすばらしいことかと思います。
●わくわーく様が、地域とのかかわりの中で新しいプロジェクト(おいしい輪☆ぷろじぇくと等)を実現されてきたこと、また、KAMIKURUプロジェクトは率直にすばらしいと思いました。支援する側、される側といった固定概念を超えて、双方向の関係をつくり出すことの大切さを改めて学びました。
次回は2022年11月9日(水)に、北海道札幌市で重症児デイサービス(重症心身障がい児に特化した児童発達支援・放課後等デイサービス)、生活介護、居宅介護、訪問看護の事業所を運営しているNPO法人ソルウェイズ共同代表理事の運上昌洋さんをゲストに開催します。ワークショップ当日に相談したい組織課題は「北海道で暮らす医療的ケア児の未来を拓くプロジェクトに地元の金融機関としてできること」を予定しています。
ソーシャルビジネス支援に関心のある地域金融機関役職員のみなさまのご参加をお待ちしています。
https://deco-boco.jp/projects/view/42