組織課題解決ワークショップ@オンライン・第13回を開催しました。
2023年01月28日
2021年から奇数月に開催する「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第13回には、地域金融関係者12名のみなさまにご参加いただきました。
参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:栃木県、群馬県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、岐阜県
・所属:第二地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、その他等
ゲストには、NPO法人ひだまり創理事長の古澤由加里さんと西部佳名恵さんをお招きしました。
ひだまり創は岐阜県笠松町や岐阜市等で、高齢者の生活相談や介護支援を行う「生きるをささえる」活動と、介護保険事業からは外れた取り組みとして高齢者の「やりたい」を生み出してつなげる「生きるをつくる」活動をしています。
今回のワークショップのテーマは、「クラウドファンディングで地域金融機関とどんなことができるか?」でした。
3人1組のグループで宿題のプレゼンテーション動画に対する感想や質問を話した後、古澤さんにみなさんから出た質問に丁寧に答えていただきました。以下のようなやり取りがありました。
●Q:利用者さんのやりがいになることを具体的に知りたいです。
⇒人に喜んでもらえることをやりがいに感じることが多い。ただ、ものを作るのではなく、作ったものを喜んでもらえるところまでが大事。小さい巾着の袋やカバンを作ったり、編み物が得意なおばあちゃんは靴下を作ってくれたりしている。毛糸の椅子マットは1か月で16枚売れた。誰かの手に渡るとやりがいを感じてくれる。
●Q:他者と触れ合いたがらない高齢者も多いと思うのですが、そうした高齢者にはどのようにやりがいをもってもらうアプローチをしたらいいでしょうか?
⇒自分に自信を持てなくなると、人と会いたくなくなる。肩書きがなくなってただの人間になると、こんな自分は見せたくないとなって会いたくなくなる。ひだまり創では介護エステも行っている。介護エステで自分を認める・好きになるきっかけがあって、周りに「それってすてきなことですよ」と認めてもらえて、というスモールステップを踏むことが大事。
●Q:数多くある高齢者支援の団体の中で、ひだまり創さんは自分たちの特徴をどのようにとらえていますか?
⇒高齢者が楽しく過ごす支援はいろいろあるが、「人の役に立つ」支援をしているところはなかなかない。自分だって誰かの役に立ちたいという気持ちがあるので、選択肢をつくることがその人が最後まで自分らしく生きられるための一歩だと思う。それがうちの特徴だと思う。
その後、再び小グループで「あなたがひだまり創の役員なら、何に取り組むか」を話し合っていただきました。それを踏まえて個人ワークでアドバイスを書いていただきました。
●共感者を増やせるといいですね。(一緒に動いてくれる行員さんや商店街、街の人など)古澤さんが疲れない仕組み、がんばり過ぎないことが大事だと思いました。
●地域の困りごとは案外たくさんあります。難しいのは本音を聞き出すことだと思っています。ハードルを下げて「こんなことありませんか?」とか、「こんなことできますよ-」的な問いかけを個別に当たっていく“1,000本ノック”かもしれません。
●笠松町は、繊維の街で100年以上の歴史があり、昔の景観が残っているところとか、ノコギリ屋根の建物等があると伺いました。その地域のすばらしい遺産を次世代につないだり、日本中に発信するためのベースを地域につくる。利用者の方と地域の企業や学校等で対話会を開いたり、一緒にものづくり体験会をしたりできたらいいなぁと思いました。
最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。さまざまな視点の意見・アイデアを聴けて勉強になった、という声を多数いただきました。
●支援方法やアプローチの方法などに多様な視点があることが、自分自身の気づきになりました。オンラインワークショップの進め方も勉強になりました。
●自分と違う年代の方からは出てくるアイデアがまた違っておもしろいなと思いました。
●組織づくりとして、リーダーががんばりすぎないことも大切だと感じました。さまざまな観点からのご意見が聞けて参考になりました。
次回は2023年3月6日(月)に、宮城県仙台市で医療的ケア児や神経難病の方とその家族の支援を行う社会福祉法人あいの実専務理事の久保潤一郎さんをゲストに開催します。ワークショップ当日に相談したい組織課題は「医ケア児ママの働く機会をつくるために、地域金融機関にできることは?」を予定しています。
ソーシャルビジネス支援に関心のある地域金融関係者のみなさまのご参加をお待ちしています。
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