組織課題解決ワークショップ@オンライン・第16回を開催しました
2023年08月16日
2021年から奇数月に開催する「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第16回には、地域金融関係者13名のみなさまにご参加いただきました。
参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:栃木県、群馬県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、滋賀県、京都府、熊本県
・所属:地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、政府系金融機関、その他等
ゲストには、一般社団法人ウィメンズ・フォーラムくまもと(以下、WFくまもと)の藤井宥貴子さん、内田美香さん、富岡若菜さんのお三方をゲストに開催しました。WFくまもとは、熊本地震の被災地である益城町で必要な支援を必要な人につないでいく「時間と気持ちの受け皿を持った女性と子どもの居場所」を運営しています。
今回のワークショップのテーマは、「女性と子どもの居場所づくりを継続していくには?」でした。
3人1組のグループで宿題のプレゼンテーション動画に対する感想や質問を話した後、WFくまもとのお三方にみなさんから出た質問に丁寧に答えていただきました。以下のようなやり取りがありました。
●Q:非営利法人でないとできないことがあるのでしょうか?
⇒行政等の公募事業が非営利法人限定というケースが重なってきた。自分たちがやりたいことは非営利の取り組みだという認識もあったので、非営利のものは非営利でやりたいと思った。
●Q:どのような時に一番喜びややりがいを感じますか?
⇒かかわった方が変わっていく様子にやりがいを感じる。非正規職員だった方が正規職員になると、親だけでなく子どもたちの様子も変わっていく。子どもたちが笑顔で帰っていったり、親からダイレクトに反応が返ってくるとうれしい。
●Q:一般社団法人を立ち上げたときの思いやパワーは、強まっていますか? 弱まっていますか?
⇒現場ができて、より一層強まっていると感じる。
その後、再び小グループで「あなたがWFくまもとの役員なら、何に取り組むか」を話し合っていただきました。それを踏まえて個人ワークでアドバイスを書いていただきました。
●(1) 企業から金銭的な支援をもらいつつ、その企業で働く社員の子供預かり託児、学童等の運営をしていったらどうでしょうか? 大きく始めるのが難しければ、(2) クラファンで支援してくださった方で賛同いただける方と(1) の取り組みを小さく始めて動かしてみてはいかがでしょうか?
●収益源を多様化すること。小さな町なので、住民全員がWFくまもとの活動を知っているような状態になることが理想。行政や社協など関係するすべての団体とつながること。自分たちを紹介してくれるよう依頼すること。活動範囲を広げて支援してくれる人たち、会員を増やすこと。支援の対象となる人たちを広げ、会費や参加費を区分してもいいので確実にいただくこと。
●一人親と子供の居場所を継続する、これを自走させるということであれば、優先順位は「助成金でなんとかする<事業自体の黒字化」であると考えます。コミュニティカフェや放課後クラブ、地域食堂は一人親だけでなくすべての親が使えるようにできないでしょうか。料金は定額課金にして、会員証か何かで判別(その場で払うと自分が一人親だと周囲にばれてしまうので)。ひとり親ではない世帯も、寄付のような気持ちで参加してもらうような仕組みにしていけば、収益の見通しが立ち、永続可能な事業になると思います。
最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。参加者同士のコメントに感銘を受けた方が多くいらっしゃったのを実感しました。
●藤井さんの困っている人を助けたいという思いが伝わり、金融機関としてはこのような法人にご支援することは本当に意義あることだと思いました。持続性のところがすごく難しいと感じました。低価格の料金設定を継続する理想と収益性をどう折り合いをつけるか、無償ボランティアを使うのか等、今回のような多様な方の意見を聞いて事業を進めるのはよい方法だと感じました。
●社会に必要なことでも、事業として成立させるには並大抵のことではないと感じました。それを乗り越えるには愛・正義・パワーが必要であり、遠慮しないでなりふり構わず周囲の人を巻き込む力が必要なんだなと学びました。
次回の第17回は2023年9月29日(金)19:30~21:30にオンラインで、福岡県北九州市で認定こども園や児童発達支援、放課後等デイサービス等を運営する、認定NPO法人光楽園理事長の尾籠信義さんをゲストに開催します。
また、次々回の第18回は【番外編】として、2023年11月25日(土)午後に岐阜県岐阜市で、過去の組織課題解決ワークショップ@オンラインでゲストにお招きした「いぶき福祉会」「ORGAN」「ひだまり創」の現場を訪問するツアーを、初めてリアル開催する予定です。
ともにお盆明けの8月中旬以降から参加者募集を開始する予定です。ソーシャルビジネス支援に関心のある地域金融関係者のみなさまのご参加をお待ちしています。