★こどもみらい園での受け入れケースから学ばせてもらった事★
2025年06月05日
久しぶりの活動報告更新となります。
今日は私たちの運営する小規模保育園こどもみらい園での、あるお子さんの受け入れ事例について、私たちの取り組みとその経過をお伝えしたいと思います。
A君は特別な経緯を経て2025年5月~こどもみらい園に再々入園されたお子様です。この経過は保護者の方々に寄せていただいている私たちへの信頼や、保護者様の熱心な活動、みらい園の職員の柔軟な対応等によって実現する事ができた事例だと思っています。
【1度目の入園】
令和6年1月。地域の保育園に4月からの入園が確定していたA君ですが、その時お母様は第2子を妊娠中で、「切迫早産のため絶対安静」とされたことから、急遽私たちの保育園へ途中入園を希望されました。
4月からの入園が決まっているお子さんの為、園で過ごせる期間はわずか。ですが主任保育士に相談したところ…
「お母さん困ってはるんやろ?大丈夫やで」と、の心強い返事。
急遽A君の受け入れが決まりました。入園してからはこどもみらい園のスタッフとの関係構築もばっちりでしたが、わずか2か月間で新しい園に送り出す事となりました。
【2度目の入園】
同じ年の夏。卒園児さんを夏祭り企画にお誘いした際にA君のお母様からお話を伺いました。聞くとなかなか新しい保育園に馴染めずにいるとの事。
「迎えに行くといつも泣いて私のもとにかけてくるんです…」
こどもみらい園に在園中はそのような姿を見せたことがなかったため、お母様も非常に悩んでおられるご様子でした。そこからはお母様の強い想いを受け止める形で、10月から再度こどもみらい園に通うことが決定しました。2度目の在園期間中に、彼は重度の自閉症であることが判明しましたが、ご両親もそのことをしっかりと受け止めておられるご様子でした。小規模保育園を卒園する満3歳を迎えたことから、令和7年3月末に2度目の卒園、4月から新しい園へ通われることになりました。
【3度目の入園】
年度がかわってからご自宅からほど近い大規模園に入園されました。自閉症のためなのか、分からない部分もありますが、結局A君は大人数の環境に馴染むことができず。。
お母様によると「やっぱり笑顔が消えてしまって…」とのことで、再度こどもみらい園への入園を希望されることとなりました。年齢制限もある中、ご両親は熱心に行政へも働きかけて、結局は特例枠での受け入れが実現することとなりました。
私たちはこの事例から、沢山の事を感じ、色んな事を学ばせてもらうことができたと思っています。
卒園、入園を繰り返す中で、その都度接続先の保育園の方とは本児の事について、丁寧な引継ぎを行っていた事。受け入れ先の先生方も熱心な方達で、可能な限りA君が過ごしやすい環境を模索してくださった事。これらの事からは結果のいかんに依らずしっかりと連携していく事の大切さを学びました。
A君の特徴の一つとして、新しい環境に慣れていくのが大変だった事。たまたま最初に出会った私たちの環境は彼にマッチしていた事。「どうせ無理だろう」とは思わず、A君の事を一番に考えて行動されるご両親の姿に行政を含め、関わる皆が動かされた事。これらの事からは改めて保護者さんの想いに寄り添いながら柔軟に対応していく事の重要性も学びました。もちろんずっとこどもみらい園に通い続ける事はできませんが、ここをベースに、A君のペースで彼が安心して過ごせる場所、多少の環境変化でも大丈夫と思える経験を持ってもらえたらと思っています。
そして何よりも関わる全ての人がお子さんやご家族のために真剣に考え行動したことの結果が、今日のA君の笑顔につながっているのだと思っています。。こどもみらい園で働くスタッフ同士の連携はもちろんの事、お子さんを中心にして、ご家族へ寄り添い、関係機関と連携していく事が大切さを気付かせてくれた事例でした。
今後も、NPO法人こども未来とこどもみらい園はすべての子どもたちが安心して過ごせる場所であり続けたいと思います。
NPO法人こども未来
京都市認可小規模保育園こどもみらい園
管理者 津山 亮