どんな障碍があっても大丈夫、京都府ショートステイプロジェクト

NPO法人こども未来の小規模保育園こどもみらい園の管理者で津山亮と申します。

医療技術の進歩に合わせて、本来救うことが出来なかった命が生まれ、退院し、それぞれの家庭でも生きていけるようになりました。一方で、その生活を支えるための制度はまだまだ十分とは言えません。医療的ケア児(以下、医ケア児)、重症心身障碍をお持ちのお子さん(以下、重心児)を預けられる保育園や幼稚園はまだまだ少なく、退院してもご家族が24時間つきっきりでケアを提供しなくてはならない現状があります。

そのようなお子さんたちを育てるご家族のお父さんたちが集まって、「預けられる場所がないなら創るしかない」という思いから協力してできたのが私たち、NPO法人こども未来です。

私たちの活動は、まず医療的ケア児が通える小規模保育園を創ることからスタートしました。2020年の開設以降、20名弱のお子さんを送り出しましたが、医ケア児さんや重心児さんは、成長とともにその都度「必要なサービスがない」という壁にぶつかります。そこで、私たちは切れ目なく支援するために、2023年には重心型の放課後等デイサービスや訪問看護ステーションも開所しました。今後も切れ目のない支援を提供するために、さまざまなサービスをつくっていく必要性を感じています。

この問題の解決に挑む私たちの志は、以下の記事をご一読ください。
凸と凹「登録先の志」No.28:津山亮さん(NPO法人こども未来 小規模保育園こどもみらい園 管理者)
1.何が問題か?
医ケア児者とその家族は、「当たり前のことが当たり前にできない」という悩み、困りごとを実に7~9割の方が抱えています。そんな彼らが一番求めているのが「緊急一時預かり支援」「ショートステイ」といったサービスでした。
ショートステイの現状については「一定の条件をクリアした方でないとお預かりできない」「夜勤は看護師2人体制なので、隅々まで見切れない」「動けるお子さんは預かりにくい」という声が聞こえてきて、実際にショートステイを利用できるご家族はごく一部の方に限られているのが現状です。
そこで私たちは、どんな障碍があっても安心して利用できる(お預かりできる)ショートステイを立ち上げなければならないと決意しました。どんな方でも、どんな時間帯でも、しっかりとお預かりすることで、ご家族にも時間・精神的な余裕が生まれ、制度に対する思いを訴えられるようになるのではないかと考えています。

そうすることで新たに立ち上がるサービスも増え、SDGsが謳う「誰一人取り残さない」という状況をつくり上げられると信じています。
2.誰と解決するか?
まずはショートステイを運営されている先行事例として、社会福祉法人「あいの実」さん、一般社団法人「あまね」さんが実践されているような、医ケア児とその家族に切れ目のない支援が提供できる体制づくりをめざしたいと考えています。

しかし前述の通り、現状のショートステイ利用にはまだまだ課題があると感じています。

今後も、行政や病院の地域連携とは特に連携をすることで、医ケア児や重心児の力になれるようにする必要があると考えています。力になるためには、事業所として安心して預かる場所を整える必要があります。そこで、まずはさまざまな先行事例研究として、ショートステイや事業所・サービスを視察・調査し、各事業所で行われているさまざまな工夫を学ぶことから始めたいと思います。そうすることで、年齢や疾患の状態にかかわらずお預かりできるショートステイをつくることができると考えています。

同時に、先行事例研究や視察の結果は、地域に住まう医ケア児を育てるご家族や行政などとの交流会や勉強会を通して、成果報告していきます。それらの活動を通じてつながりながら、ご家族に寄り添い、誰一人取りこぼさない地域社会づくりを進めていきます。
3.どう解決するか?
当法人では現在、小規模保育園、重心型放課後デイサービス、訪問看護ステーションの3事業所の運営を開始したことで、通所、訪問といった日中サービスには対応できるようになりました。今後は「どんな障碍があっても大丈夫、京都府ショートステイプロジェクト」と題して、ショートステイ開設に向けて大きく動き出します。

2024年度の初期成果としては、法人内事業所の利用者へアンケートを実施し、その満足度や悩み、課題を確認します。その後、他の事業所への視察・調査を行いながら、プロジェクトのプランを完成させます。同時に、視察・調査の報告を家族や事業所に行うことで、ショートステイの必要性を強く感じてもらい、賛同を得られるようにしたいと考えています。

2030年にはプロジェクトの成果として。ご賛同いただいたみなさまのご支援のもと、私たちのショートステイを完成までこぎつけたいと思います。
4.“志金”のつかいみち
みなさまからご支援いただいた“志金”は、今も預ける場所がなくて困っている当事者の方を助ける活動「どんな障碍があっても大丈夫、京都府ショートステイプロジェクト」の一部として活用させていただきます。

2024年度は以下の3つを想定しています。
(1) 視察・調査費:私たちは、先行してショートステイを行っている施設への視察・調査を行い、そのノウハウや成功事例を学び、自身の活動に活かします。
(2) 報告会・勉強会開催費:私たちは、ショートステイの取り組みについて、家族や事業所への報告会を行い、さらには事業所向けの勉強会も開催したいと考えています。私たちは多くの人に情報を提供し、理解を深めます。
(3) ショートステイの積み立て:医ケア児者・重心児者が安心して過ごせる場所の開業に、みなさまのご支援を使わせてください。

医ケア児者・重心児者を取り巻く環境はまだまだ、厳しいのが現状です。当事者であるご家族の負担を少しでも軽減できるように、利用者が安心して過ごすことができる環境をつくるための力を貸していただけないでしょうか?
5.伴走支援者の声

ぼくの「医療的ケア児者」を支える事業者への支援は2010年、ふれ愛名古屋(愛知県名古屋市)の立ち上げから始まりました。医療的ケア児者を各地で支える事業者を支援する重デイネット(兵庫県加古川市)は、ふれ愛名古屋をモデルに広がったネットワークです。23年12月現在、重デイネットの他、ソルウェイズ(北海道札幌市)、あいの実(宮城県仙台市)、あゆみ(熊本県熊本市)、うりずん(栃木県宇都宮市)、そしてこども未来(京都府京都市)で、同テーマの伴走支援に取り組んでいます。

こども未来の特徴は、組織や事業の「成熟期」ではなく、「導入期」「成長期」という早い段階から、「ショートステイ」の準備を始めることだと思います。21年9月に医療的ケア児支援法が施行され、制度も少しずつ整い始めていますが、ショートステイに関しては各地とも試行錯誤の状況です。大変な挑戦であるからこそ、先行事例に学びつつ、早めに着手し始めることを、こども未来は決意しました。

そもそも「導入期」「成長期」という段階は、組織的にも非常に労力がかかり、今回の挑戦には津山さんのマネジメント能力が一層求められると思います。ぜひマンスリーサポーターとして、津山さんを励まし続けていただけるとうれしいです。(木村)

支援者 6人

本プロジェクトは、ログインしてお気に入り追加や支援をすると、「活動報告」更新時に通知メールが届きます。
また、支援者による支援の申し込みが完了した時点で、凸と凹登録先が支援金の提供を受ける契約が成立するものとします。
なお、本プロジェクトは月額課金型になります。


500 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書

1,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書

2,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書

5,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書
(3) 施設見学(ご希望をお聞きし、ご相談の上、決定します)

10,000 円 /月

配送方法:郵送

(1) 活動報告メール(週1回程度)
(2) 年次報告書
(3) 施設見学(ご希望をお聞きし、ご相談の上、決定します)