先日、放課後等デイサービスSunnyのスタッフを対象に、併設の訪問看護に在籍している作業療法士より「子どもの感覚について」という内容で、職員研修を実施しました。
発達に特性のある子どもたちへの支援において、そもそもどのような感覚があるのか、それを理解した上で感覚統合の重要性を学ぶ、といった内容でした。
【研修内容の概要】
・感覚統合とは、感覚情報を脳で整理・統合して行動や感情に反映する仕組みの事。
・特に「前庭感覚」「固有感覚」「触覚」の3つに焦点を当て、それぞれの発達や行動への影響についての理解を目指す。
【各感覚のポイント】
〇前庭感覚(揺れの感覚)
平衡感覚や自律神経に関係している感覚である事。
揺れの種類や強さで子どもの反応が変わるため、それぞれが感じる心地よさには差があることに配慮が必要。
〇固有感覚(筋肉・関節の動きを感じる感覚)
力加減や身体の位置把握に関わる感覚のこと。
あえて重りを使った活動や、遊びを取り入れることでこの感覚にフォーカスする事がしやくすなる。
〇触覚
防御反応(不快)と識別反応(快)の2面がある事を学ぶ。
優しい触れ方、個々の感覚特性によって、同じ触れ方でも快、不快が分かれる事。本人が心地よいと思える感覚の入力が安心感を育む事。
刺激の種類によりリラックス効果、逆に覚醒を促す効果などがある事。
【以下、スタッフのレポートより】
・改めて、お子さん達の反応をしっかりと観察しながら、刺激の種類・強さ・順番を調整することが大切だと学ぶことができた。
・感覚統合の視点を取り入れることで、子ども一人ひとりの特性に合ったより効果的な支援ができると感じた。
・OTさんの視点に立つことで、日々の活動の意味づけがより豊かになると感じた。今後の実践でも、環境や関わり方を工夫しながら、安心感と意欲を引き出す支援を行っていきたい。
最後に、スタッフ自身にも感覚的な特性がある事を自覚した上で、援助に入ることでより丁寧なかかわりができる、といった話があり、スタッフ自身が感覚特性チェックリストを活用してみました。子ども達の感覚、発達といった基本に立ち返った研修で日々の活動を振り返る事のできた良い機会になりました。
NPO法人こども未来
重心型放課後等デイサービスSunny
新保英典

感覚特性について、チェックリストに記入しているところ。