2021年から奇数月に開催している「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第21回には、地域金融関係者等10名のみなさまにご参加いただきました。
参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:新潟県、栃木県、東京都、神奈川県、長野県、愛知県、滋賀県、福岡県
・所属:第二地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、その他等
今回は、認定NPO法人発達わんぱく会理事長の小田さんをゲストに開催しました。発達わんぱく会は、発達支援事業所「こころとことばの教室こっこ」を千葉県浦安市・東京都江戸川区で4教室運営し、発達障害またはその疑いのある未就学児を対象にオーダーメイドの早期療育を提供しています。
今回のワークショップのテーマは、「発達障害の子どもを0歳から支援するには?」でした。
3人1組のグループで発達わんぱく会への感想や質問を話した後、小田さんにみなさんからの質問に丁寧に答えていただきました。以下のようなやりとりがありました。
●Q:専門家から見たら、0歳児でも発達障害だということがはっきり判断できるのでしょうか?
⇒判断は医師がするものだが、自閉症の傾向であれば0歳からわかる。自閉症の子だと、抱かれるのを嫌がったりすることもある。あるいは聴覚の過敏があると、ちょっとした物音で泣いてしまったりする。他の赤ちゃんと反応が違うことを感じたりする。
●Q:行政との連携は何かありますか?
⇒こども家庭庁が1年前にできたことが、ものすごく追い風だと思っている。この1年でいろいろな施策が出ている。「はじめの100か月」の大切さ。行政が制度にしたものに乗っかりながら、制度の狭間はどうしてもあるので、そこをNPOとして対応できたらと思っている。
●Q:法人設立時にかかわった子はどんな成長をしていますか?
⇒幼児しかやっていないので、小学校に入ると卒業になるが、同じ地域に住んでいるので、何となく状況はわかったりする。すくすく育っている印象はあるが、自分たちのところに通ったことの影響を把握するのは難しい。
その後、再び小グループで「あなたが発達わんぱく会の役員なら、何に取り組むか」を話し合っていただきました。それを踏まえた個人ワークでは、以下のようなアドバイスを書いていただきました。
●気軽に子育ての悩みを話し合える場が地域の中に必要。全国に支店を持つ企業や金融機関が、顧客向けに呼びかけや学習の場を提供するのもいいのではないか。
●目標としては、自治体の乳児教育に本支援を組み込むこと。コンセプトは表現の豊かさを育む。子育てに彩りを。ハードルは高いと思いますが、問題意識の高い自治体(市町)と組んで成功事例をつくる。アウトカムは、親御さんからの子供の変化の声(喜び)を情報収集して可視化する。専門性強化のため、指導者(保健師・保育士等)の育成カリキュラムも提案。指導者を増やすことは重要。次は、成功事例の横展開で徐々に取り組みを広めていく。
●わんぱく会さんの存在を知らない人もまだまだ多いので、選択肢の一つとして0歳児をターゲットにするなら、産婦人科などの妊娠期から親御さんに情報を提供できるようになるといいのではないかと思いました。
最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。
●社会課題解決に向き合う熱い方々が集まっているということを改めて感じました。また他者の意見から柔軟に新しい視点を組み立てる方が多いことも勉強になります。
●金融機関として、これまで子ども支援にかかわってきた部分はあるが、まだまだできることがあるのではと考えるきっかけとなりました。
●質問を考えること自体難しかったですが、他の人の質問に「なるほど」と思いましたし、全員が誠実に取り組んでいて、すごい場だと思いました。
次回の第22回は2024年7月2日(火) 夜、「こどもの社会参画」をミッションに1999年の設立以降、フリースクールやこども食堂、環境教育など、こどもを中心に置いた多様な学びの場を運営しているNPO法人寺子屋方丈舎の小関翼さんをお招きして開催します。テーマは「クラウドファンディング(※) 終了まで残り2週間でできることは?」の予定です。ぜひご参加ください。
https://deco-boco.jp/projects/view/63
※寺子屋方丈舎が2024年7月15日(月) 23時まで実施しているクラウドファンディングは、
こちらをご覧ください。