組織課題解決ワークショップ@オンライン・第25回を開催しました
2025年03月03日
2021年から開催する「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第25回には、地域金融関係者等15名のみなさまにご参加いただきました。
参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:北海道、栃木県、東京都、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、岡山県
・所属:第二地方銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、その他等
NPO法人Since(シンス)の門脇さん(まなてぃー)をゲストに開催しました。Sinceは「すべての子どもに『居場所』と『機会』を提供する」をミッションに、2020年の設立以降、フリースクールや訪問型支援、夜の居場所「ナイトステイ」など、子どもたちの「これから」を応援する活動をしています。
今回のワークショップのテーマは、「フリースクールが社会的な信頼を獲得するには?」でした。どのフリースクールも多かれ少なかれ、適切な評価がされていないと感じています。教育の世界では、学校教育が大きな役割を果たしているため、「フリースクールは遊んでいるだけ」といった偏見があったりします。フリースクールの子どもたちの姿や実施していることに対して、適切な評価や社会的信頼を獲得するにはどうしたらいいかを相談したいと、このテーマが設定されました。
4人1組のグループでSinceに対する感想や質問を話した後、まなてぃーにみなさんから出た質問に丁寧に答えていただきました。以下のようなやり取りがありました。
●Q:社会的信頼を得て克服したい現在の課題をもう少し教えてほしい。
⇒フリースクールに通っている子どもが世間から低く見られているように感じている。フリースクールが社会的信頼を得られることで、子どもたちが生きやすくなると思っている。
●Q:不登校の主な原因は何? それを踏まえてフリースクールに必要な要素は何?
⇒対人関係のトラブルがあると思う。学校のシステムに合わない子もいる。フリースクールは多様な視点が大事だと思っている。テストで100点を取るなどの目に見える評価軸だけでなく、いろいろな評価軸で見ることが大事。
●Q:運営理念等の対立や相違があった時に、ここだけは譲れないという価値は何があるか?
⇒子どもたち一人ひとりに対して、一つの評価軸で見るのではなく、その子のよいところを伸ばして、強みにしてあげることを大事にしている。
●Q:Sinceさんの最大のウリは? 子ども目線で。
⇒いろいろな体験ができること。つながりの中で海外研修に行けたりとか、大学生と一緒に活動できたりとか。子どもたちが自分たちで提案して、しまなみ海道を横断する企画を実施したりもした。
その後、再び小グループで「あなたがSinceの役職員なら、何に取り組みますか?」を話し合っていただきました。それを踏まえて個人ワークでアドバイスを書いていただいたので、一部を紹介します。
●フリースクールの社会的信頼を高めるには、Since単独ではなかなか難しいと感じました。業界団体で力を合わせてフリースクールの存在意義を伝える活動が必要。今、マイノリティで認知されていない存在でも、根気強く続けると世論は変わる可能性は高いと思います。フリースクールにはそれだけのポテンシャルがある。
●子どもによって、フリースクールに通っていることに対する見方に差があるように感じたので、通っている子ども(親も?)が肯定的に捉えられるような、メンタルケアも必要かと思いました。また、フリースクールのPRがまだまだ不足しているので、スタッフではなく、そこに通う子ども主体でSNSやHPに発信したり、動画を作成するなど、当事者目線の言葉を伝えられるといいのではと思いました。
●社会のネガティブな意見や評価は置いといて、目の前の子どもが幸せだったらよいのではないかと思います。そのために子どもたちの声を聴いていくのかなと思います。
最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。
●初参加でしたが、さまざまなバックグラウンドを持った方たちとグループワークできたのが楽しかったです。
●次世代を担う子どもの教育として、フリースクールの存在は大きいと感じました。日本の将来のためにもフリースクールがフラットな存在になることを願っています。
●合計15人の参加で大盛況でしたね。全員参加型でいろいろな意見交換ができて、とても濃密な時間でした。
次回の第26回は、2025年5月21日(水) に開催予定です。ぜひご参加ください。