こんにちは、
NPO法人ユアフィールドつくば代表理事の伊藤文弥です。
私たちは、茨城県つくば市を拠点にさまざまな福祉事業を15年にわたり展開しています。事業を通してめざしたい未来は、「太陽のもと、ともに暮らし、働き、遊び、育み合う豊かな社会」です。それは、障がいのある人もない人も、子どもも大人も、どのような人でも地域の中で役割を持ち、お互いに助け合いながら楽しく健康に過ごし、成長していける -- そのような世界観をイメージしています。
現在は、就労継続支援B型、グループホーム、放課後等デイサービス、訪問看護ステーション、生活介護事業所を主な事業として活動しています。また前身の団体であった「ごきげんファーム」を事業名称とした就労継続支援B型事業では、さまざまな野菜づくりや養鶏事業といった農業を行っており、地元の一般の方から遠方のレストランまで野菜や卵をお届けしています。
この問題の解決に挑む私たちの志は、以下の記事をご一読ください。
凸と凹「登録先の志」No.41:伊藤文弥さん(NPO法人ユアフィールドつくば 代表理事)
私たちが障がいのある方たちと農業を始めて以来、ここまで生活全般の支援など、自然に事業が広がってきました。多くの事業を進めることは複雑さが増して大変ですが、やはり必要な支援は単純なものではないと感じています。
そして今回新しい事業として立ち上げを検討しているのが、「移動支援」の領域です。障がいのある方たちと接している中で近年強く課題意識を持っていたのが「移動」に関することでした。
現状では「あそこに行きたい」と思いを持ちながらも、手段の制限や人手不足により、自由な外出や移動がままならない方が多くいます。自身の願いが叶わないことは、大きなストレスになるでしょうし、外に向けての意識や社会とのかかわりも薄まっていく負のスパイラルが考えられます。私たちは少しでも「移動の自由」を支援することで、生活にメリハリを与えて豊かな関係性が構築できるようになればと思っています。
現在つくば市内における移動支援事業は、障がいのある方のご家族などによって運営されている当事者団体が主だったもので、幅広い方の利用が難しい状況にあります。
私たちは、より多くの方への移動支援サービス提供を視野に入れて、その他の福祉事業との緊密な情報共有や、ご利用者やそのご家族、行政や地域住民のみなさんとも連携しながら、支援を継続・拡大していくことを考えています。本格的な事業展開にあたり、多機能型で福祉事業を展開しているメリットを生かした団体内でのテスト運営フェーズを設けて、知見の獲得と準備を進めます。
掲げたビジョン「太陽のもと、ともに暮らし、働き、遊び、育み合う豊かな社会」の実現に向けて、私たちユアフィールドつくばは、「障がいのある人や地域の方たちと信頼関係を築き、誰もが安心できる「共生の場を創る」担い手」になりたいと考えています。
今回新事業として立ち上げる移動支援も含め、多くのサービスを有機的に組み合わせることにより、障がいのある方たちにとってのよき伴走者となり、そしてさまざまな人たちが当たり前に交じり合う豊かな地域ができることに貢献できればと思っています。
今回みなさんよりご支援いただく寄付金は、事業の運営費として使用させていただきます。移動支援事業の認可や公的給付額は地域によって条件が異なりますが、つくば市における要件に基づき、私たちは居宅介護と組み合わせてこの事業を立ち上げる予定です。いずれにせよ単体事業としては採算が取りづらい状況であるため、みなさんからの寄付金を安定した事業運営のために充当させていただく予定です。
今回ご縁をいただき
WILLに参加させてもらい、改めて私たちの事業展開を俯瞰して、その中での移動支援事業の位置づけやその重要性を認識することができました。
障がいのある人もない人も、それぞれが自分らしく、楽しく健康に過ごせる地域をめざし、私たちユアフィールドつくばは、ひとつずつでも足りないピースを埋めて一人でも多くの笑顔をつくっていきたいと思っています。まだまだ試行錯誤は続きますが、私たちの活動や思い描く未来をご理解いただき、応援していただけるとうれしいです。
5.伴走支援者の声
代表の伊藤さんと出会ったのは、今(2025年)から10年以上前。ぼくが過去に参加していた社会起業家支援プログラムに、伊藤さんが受講者として参加されていたことがきっかけでした。その後も、ぼくが運営をサポートしていた連続講座に、つくばから名古屋まで毎月通ってくれるなど、SNSも含めて交流が続いていました。
出会った当時は、今とは法人名も異なり、農業と福祉をつなぐ「農福連携」に挑む若者という印象でした。しかし今回WILLにご応募いただき、応募書類等を拝見して、その深化と広がりに驚かされました。農業だけにとどまらず、障がいのある方たちの「足りない」に応えるサービスを次々と生み出し、現在では年商4億円超・スタッフ100名以上を抱える経営者に成長されています。ご本人は市議会議員としても活動中です。この間の歩みについては、
凸と凹マガジンのインタビュー記事や
伊藤さんのnoteにくわしく紹介されています。
そして次に取り組む「足りない」は、移動支援です。かつては認定NPO法人であったユアフィールドつくばが、掲げるビジョンを多くの方とともに実現するため、「寄付」という新しい参加のかたちをつくり、今回改めて寄付募集に挑戦します。ぜひご参加ください!(木村)