2021年から奇数月に開催する「組織課題解決ワークショップ@オンライン」の第20回には、地域金融関係者等10名のみなさまにご参加いただきました。
参加者の主な属性は以下の通りでした。
・居住地:新潟県、栃木県、群馬県、東京都、神奈川県、長野県、京都府
・所属:地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、その他等
NPO法人こども未来の新保さんをゲストに開催しました。こども未来は、京都府京都市で重症心身障害児・者、医療的ケア児・者及びその家族・関係者のための各種生活支援の事業を実施し、小規模保育園、重心型放課後等デイサービス、訪問看護ステーションを運営しています。
今回のワークショップのテーマは、「多職種によるチームビルディングのポイントは?」でした。
3人1組のグループでこども未来に対する感想や質問を話した後、新保さんにみなさんから出た質問に丁寧に答えていただきました。以下のようなやり取りがありました。
●Q:スタッフの方それぞれの悩みや願いを聴き合うチャンスはありますか?
⇒きちんとつくれていなかったかなという気がしている。立ち上げたばかりで、日々を回すこと、情報伝達が中心になっているかもしれないと問われて思った。
●Q:症例検討会や事例研究会などの機会はありますか?
⇒この半年ぐらいはあまり掘り下げられていない。次年度は毎週金曜日にそういった機会をつくっていこうと思っている。
●Q:場面ごとの対応方針(即対応、様子見など)の決定権は誰が持ちますか? また、なぜそのようにしていますか? 判断が適切でないと感じる程度はどのくらいですか?
⇒ケースバイケース。医療行為に関することは看護師の判断が優先される。管理職に訊かないとわからない、では判断が遅れてしまうので、現場で判断できるようにしている。間違った判断と思うことはおおむねない。
その後、再び小グループで「あなたがこども未来の役員なら、何に取り組むか」を話し合っていただきました。それを踏まえ、個人ワークでアドバイスを書いていただきました。
●ハード面-理念を行動指針にまでブレイクダウンする。ソフト面-私たちが大事にしたいケアとは何かをケースを通して対話する機会を設ける。
●(1) 自分の専門外の職種を、初級レベルで良いのでリスキルする→相互理解につなげる。(2) 相互のプライベートの共有→飲み会、ランチミーティング等(仕事の話はしない)。(3) 3人グループで応援をし合うような短い時間を設ける。チームは週替わり等。(4) 施設の理念を明確化する。加えて専門家の役割も明確化する。
●「私たちの見方はどうして異なるのか対話会」の開催
最後に、終了後のアンケートで参加者のみなさんから寄せられた感想の一部を紹介します。
●あって当たり前なのですが、ソーシャルビジネスに携わる方々にも職員同士の人間関係のいざこざがあるんだということがわかってとても新鮮でした。
●本日はお金の話ではなく人間関係の改善のお話で、いつもと違う脳を使ったようで新鮮でした。どの業種でも人間関係のもつれはあり、やはりチームでベクトルを合わせていくことの大変さや大切さ、またその改善ポイントなどを学びました。
●こども未来さんの中でさまざまな職種が交じっていることの課題があることを知り、解決策として多くのアドバイスができ、こども未来さんにとって実りある会であったと思いました。新保さんの組織をよくしたいという思いが伝わりました。
次回の第21回は、2024年5月22日(水) 夜に発達支援事業所「こころとことばの教室こっこ」を千葉県浦安市・東京都江戸川区で4教室運営し、発達障がい、またはその疑いのある未就学児を対象にオーダーメイドの早期療育を提供している、認定NPO法人発達わんぱく会の小田知宏さんをお招きして開催します。テーマは「発達障害の子どもを0歳から支援するには?」の予定です。ぜひご参加ください。
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