「ソーシャルバンク・コミュニティ」発足プロジェクト

※本プロジェクトは、凸と凹「バリュー・ベース・バンカー応援プログラム」の登録プロジェクトです。
※銀行振込でのご支援を希望される方はこちらからお問い合わせをお願いします。
合同会社めぐるの木村真樹です。弊社は、地域の社会課題解決に挑む「ソーシャルビジネス(SB)」の支援と、SB支援を志す「地域金融機関」の支援という、主に2つの事業に取り組んでいます。これからの地域の社会課題解決は行政だけで、税金だけでは対応できず、その解決は民間(SB)で、その財源は地域(金融機関)でまかなっていく必要があると考えているからです。

2023年3月末の全国254信用金庫の預貸率(預金残高に対する貸出残高の割合)は49.8%でした。地域で預けたお金を地域で活かし切れないなら、地域のソーシャルビジネスに活かす「お金の地産地消」をもっと推進できないかと思うのです。
「SB×地域金融機関」というテーマにかかわるようになって、20年が経ちました。これまでの歩みはこちら(PDF形式:1.05MB)の対談記事をご参照ください。20年間あきらめずに取り組んできたのは、SBの借入先は「個人」が最も多く、民間金融機関からの借り入れの比率は低い水準に留まっているという現実を変えたい! という思いからでした。
それでも、この20年でSB事業者もお金を借りられるようになってきました。政府系金融機関の日本政策金融公庫は毎年「SB関連融資実績」を公表していますが、公庫設立翌年度の2009年度から、金額も件数も右肩上がりで推移しています。弊社は現在、北海道から九州まで約20のSB事業者(年商数千万円~数億円)を支援していますが、どの事業者からも「公庫に融資を断られた」という話は聴いたことがありません。
2014年、金融庁は『金融モニタリング基本方針』の中で「事業性評価」という指針を示し、金融機関は担保や保証に頼らず、実態に基づいて事業者を評価するよう指導されるようになりました。しかし、民間の金融機関の対応では、20年前と変わらない「金融排除」を各地で見聞きします。弊社支援先のNPO法人は、融資を決めた公庫が地元の金融機関に「一緒に貸しませんか?」と協調融資を持ち掛けてくれましたが、「株式会社なら貸せますよ」と門前払いされました。

一方、以下のプレスリリースは、地域金融機関による事業者支援の事例です。
クラダシが西武信用金庫と地域のフードロス削減に向けた包括的連携協定を締結(2021年6月4日)
京都信用金庫は「京都こども宅食プロジェクト」の活動を応援します!(2022年8月17日)

地域の金融機関は地域の個人・法人からお金を預かり、そのお金を地域で融通するプロセスを通して、地域のさまざまな人たちとのつながりを育んでいます(※) 。上記の事例のように、地域の事業者が金融機関から借りることができるのは、お金だけではありません。特に、地域の社会課題解決は自分たちだけで実現できないことから、SBはよく「借り物競争」に例えられます。このつながりをSBの「借り物競争」に活かせるかが、これからの地域の社会課題解決には欠かせないと考えています。

※地域の金融機関が育んでいるつながりを地域の事業者に活かす事例は、2023年11月1日に出版された『手間ひまをかける経営』で多数紹介されています。
弊社と一般社団法人価値を大切にする金融実践者の会(JPBV)が立ち上げた『お金の地産地消白書2020』製作委員会が2020年7~8月に実施した、地域金融機関によるSB支援に関するアンケート結果によると、SB支援が進まない主な理由として「SBに関する知識やノウハウがない」「SBとの関わりが少ない」などが挙がりました。
そこで、弊社は『お金の地産地消白書2020』発行後の2021年から、地域金融機関の役職員がSB支援を実践する以下のオンラインの機会をつくり続けてきました。
●参加者の所属先(敬称略):あおぞら銀行、京葉銀行、七十七銀行、十六銀行、千葉銀行、栃木銀行、長野銀行、名古屋銀行、トマト銀行、南都銀行、広島銀行、りそな銀行、飯田信用金庫、きのくに信用金庫、京都信用金庫、但馬信用金庫、あかぎ信用組合、東信用組合、第一勧業信用組合、飛騨信用組合、横浜幸銀信用組合、九州労働金庫、東海労働金庫、新潟県労働金庫、第二地方銀行協会、労働金庫連合会、全国労働金庫協会、愛知県信用農業協同組合連合会、商工組合中央金庫、日本政策金融公庫、金融庁等
⇒過去18回の延べ参加申込者268名/満足度9.5点(平均/10点満点)
https://www.meguru.social/posts/categories/5903232
●参加者の所属先(敬称略):名古屋銀行、宮崎太陽銀行、山梨中央銀行、飯田信用金庫、東信用組合、カンダまちおこし、経済法令研究会、トラストコンサルティング、FUNDINNO
⇒過去4回の参加者10名/満足度82.5点(平均/100点満点)
https://logic-model.theblog.me/
●参加者の所属先(敬称略):栃木銀行、京都信用金庫、あかぎ信用組合、東信用組合、新潟県労働金庫、全国労働金庫協会、日本政策金融公庫、フコクしんらい生命保険
⇒過去2回の参加者10名/満足度79.4点(平均/100点満点)
⇒過去2回の成果報告会延べ参加申込者296名/満足度9.1点(平均/10点満点)
https://jpbv-social.theblog.me/
●参加者の所属先(敬称略):栃木銀行、京都信用金庫、東信用組合、九州労働金庫、新潟県労働金庫、第二地方銀行協会、全国労働金庫協会、労働金庫連合会等
⇒2023年11月現在の分科会メンバーは16名
https://jpbv.jp/
コロナ禍によるオンラインの普及に伴い、SB支援に関心がある全国の地域金融機関役職員が、SB事業者に関わる機会を得られるようになったのは成果のひとつかもしれません。しかし、これらの機会には「個人」としての参加が多く、SB支援を金融機関全体で取り組むような「組織」の動きにはなっていないのが現状です。金融排除は組織の、地域の現場で起こっています。そこに変化をもたらす取り組みになっていないことに、「このまま続けても、次の20年後も“同じ景色”を見ることになるかも…」と、最近は焦りを感じていました。

そんな時、「Institute for Social Banking(ISB)」という教育研究機関がドイツにあることを、株式会社風とつばさの水谷衣里さんが教えてくれました。ヨーロッパにはSBへの投融資に取り組み、一定の規模や収益を確保する「ソーシャルバンク」が複数存在していますが、ISBは2006年の設立以来、ソーシャルバンキングに関する国際会議「サマースクール」を毎年開催するなど、13か国から17の金融機関が積極的に参加する会員組織に成長しています。
日本でも、地域金融機関における「組織的(本部・営業店の役職員一人ひとりが)」「継続的(異動や世代交代があっても実践し続ける)」SB支援の定着に向けて、「ソーシャルバンク・コミュニティ(SBC)」というプラットフォームを発足できないか。その答えを求めて、この20年でご縁をいただいた以下の地域金融機関等や地域金融関係者のみなさまと、2023年7月下旬から対話を重ねてきました。

●地域金融機関等(敬称略)
しずおかフィナンシャルグループ、栃木銀行(松林和宏)、山梨中央銀行、飯田信用金庫(筒井隆彦)、吉備信用金庫(内藤隆志)、京都信用金庫(伴龍太)、興能信用金庫、しののめ信用金庫、城南信用金庫、西武信用金庫、但馬信用金庫、のと共栄信用金庫(入口翔)、浜松いわた信用金庫、あかぎ信用組合、東信用組合、第一勧業信用組合、大東京信用組合、九州労働金庫、近畿労働金庫、新潟県労働金庫、全国労働金庫協会(菅谷宏行山口郁子)、日本政策金融公庫、金融庁
●地域金融関係者(敬称略・50音順)
青栁光昌(社会変革推進財団)有野文明(トラストコンサルティング)、伊井哲朗(コモンズ投信)、池田憲昭(森林環境コンサルタント)石崎浩二(三菱UFJ信託銀行)石田篤史(中小企業経営者)、猪谷浩之(石川県信用保証協会)、鵜尾雅隆(日本ファンドレイジング協会)、馬越裕子(コモンズ投信)、江上広行(URUU/JPBV)、日下智晴(日下企業経営相談所)、久保匠(ソーシャルセクターパートナー・すくらむ/北海道NPOバンク)小関隆志(明治大学)田代達生(カンダまちおこし)、多胡秀人(地域の魅力研究所)、中川亨(新潟ろうきん福祉財団)長島剛(多摩大学)新田信行(ちいきん会)、野池雅人(プラスソーシャルインベストメント)、橋本卓典(共同通信社)、長谷川勉(日本大学)、林公則(明治学院大学)、深尾昌峰(龍谷大学)、古里圭史(リトルパーク)、法橋聡(元近畿労働金庫)、水谷衣里(風とつばさ)、宗友輝夫(教育資金融資保証基金)、森山奈美(御祓川)、山口省蔵(金融経営研究所)

これらのみなさまとの対話を通してSBCの“妄想”が“構想”へと深化する中で、以下の4名が「呼びかけ人」として、SBCの発足を呼びかけることになりました。

●榊田隆之(京都信用金庫 理事長)
●髙橋一朗(西武信用金庫 理事長)
●鵜尾雅隆(認定NPO法人日本ファンドレイジング協会 代表理事)
●木村真樹(合同会社めぐる 代表)
SBCでは、SB支援を志す地域金融機関の役職員が学び合い、支え合い、刺激し合って、各金融機関の取り組みを進める「ソーシャルバンカー」の育成に取り組みたいと考えています。2024年4月に予定するISB(ドイツ)への訪問調査を踏まえ、SBC参加金融機関等とも連携し、検討を進める予定です。

日本で地域金融機関におけるSB支援が広がらないのは、融資金額の割に手取り足取りが求められ、志が高くないと取り組めないことが要因のひとつと考えています。日本大学の長谷川勉先生によると、ヨーロッパのソーシャルバンクはオフィスも小さく、なるべく人手がかからないように融資審査を効率化しているとのこと。ドイツへの訪問調査では、ISBだけでなく、ソーシャルバンクの「トリオドス銀行」や「GLS銀行」も訪ね、帰国後は融資審査をより効率的に行う仕組みづくり等にも取り組んでいきたいと思っています。

また、地域金融機関によるSB支援を広げるためには、事業者の意識変革も重要です。SBCウェブサイトでの情報発信や、参加金融機関の融資件数や金額等を可視化するレポートの発行、SBCに関心ある人たちが集うギャザリングなどを通して、金融機関が「交渉相手」ではなく「相談相手」であることをお伝えする、SB事業者向けの啓発活動にも力を入れたいと考えています。
最近は「ソーシャル企業認証制度」や「インパクト志向金融宣言」など、金融機関における組織的・継続的なソーシャルな取り組みも始まっていますが、SBCは「SB」を主な対象とした「民間公益活動団体の事業化」がテーマです。
三井住友フィナンシャルグループは2023年度からグループ全体で、社会課題の解決に取り組むNPO等を、業務時間の最大20%を活用して支援する「プロボノワークプロジェクト」に取り組んでいます。弊社の支援先も今年度の支援を受けていますが、本来は地域金融機関が本業支援として担うべき取り組みではないかと思うのです。

地域の人や組織を巻き込み、自分たちに足りない資金や資源を借りるために、地域の社会課題解決に挑むSB事業者のみなさんには、地域のつながりを有する地域金融機関をもっともっと活用してもらいたい。そんな思いでSBCを発足します。その発足を応援する「発起人」として、ぜひお力を貸してください。
時代の潮流変化と共に「自分さえよけれは良い」から「地球に優しく人に優しい」へと変わってきています。
そのためにも私たち金融機関が一体となって、ソーシャルな地域社会の実現に向け、社会を良くしようと考えている人々をお繋ぎし、地域にソーシャルマインドを浸透させ、地域をより豊かにするために全力で取り組んでいきましょう。
私たち地域金融機関は「地域」と切っても切れない関係にあります。
21世紀は、かつて経験したことのない大きな変革の時代となり、地域や社会には、課題や問題が山積し、多様化しています。
そうした中、地域のNPOや非営利団体の皆さんは地域の問題の解決に真正面から取り組み、より住みやすい、働きやすい、子育てがしやすいといった、豊かな地域にしようと活躍しています。
こうした活動を応援し、支えていくことは地域金融機関の当然の役目と考えています。
そして、地域金融機関が地域の垣根や立場を超えて学び合い、支え合いを通じてNPOと互いに力を合わせて協創していくことができる役職員づくりを実践するソーシャルバンク・コミュニティがこれから重要な役割を担っていくものとも思っております。
ソーシャルバンク・コミュニティに全国の多くの地域金融機関が賛同し、取り組みが広がっていくことを期待しています。
世界のソーシャルバンクのムーブメントを日本とも繋げる取り組みに期待しています。
現場で社会課題解決に向き合い草の根の活動を丁寧に行うNPOやソーシャルビジネスと地域をお金の循環で元気にしたい金融機関、金融マンとが一体となって地域を元気にする未来を創っていきましょう。

現在の支援金額 3,365,000 円

支援者 325人

残り時間 終了

本プロジェクトは、ログインしてお気に入り追加や支援をすると、「活動報告」更新時に通知メールが届きます。
また、支援者による支援の申し込みが完了した時点で、凸と凹登録先が支援金の提供を受ける契約が成立するものとします。


5,000 円

163 人

配送方法:メール

(1) 活動報告メール送信
(2) SBCサイト名前掲載(小/テキスト)
(3) SBC発起人証送付(PDFファイル)

10,000 円

142 人

配送方法:メール

(1) 活動報告メール送信
(2) SBCサイト名前掲載(小/テキスト)
(3) SBC発起人証送付(PDFファイル)
(4) ドイツ訪問調査発起人限定報告会当日資料&レポート送付

25,000 円

5 人

配送方法:メール

(1) 活動報告メール送信
(2) SBCサイト名前掲載(小/テキスト)
(3) SBC発起人証送付(PDFファイル)
(4) ドイツ訪問調査発起人限定報告会当日資料&レポート送付
(5) ドイツ訪問調査発起人限定報告会ご招待(24年5月開催予定/オンライン・アーカイブ配信あり)

50,000 円

10 人

配送方法:メール

(1) 活動報告メール送信
(2) SBCサイト名前掲載(小/テキスト)
(3) SBC発起人証送付(PDFファイル)
(4) ドイツ訪問調査発起人限定報告会当日資料&レポート送付
(5) ドイツ訪問調査発起人限定報告会ご招待(24年5月開催予定/オンライン・アーカイブ配信あり)
(6) 呼びかけ人・榊田隆之&高橋一朗発起人限定講演会ご招待(24年7月開催予定/オンライン・アーカイブ配信あり)

100,000 円

5 人

配送方法:メール

(1) 活動報告メール送信
(2) SBCサイト名前掲載(中/ロゴ可)
(3) SBC発起人証送付(PDFファイル)
(4) ドイツ訪問調査発起人限定報告会当日資料&レポート送付
(5) ドイツ訪問調査発起人限定報告会ご招待(24年5月開催予定/オンライン・アーカイブ配信あり)
(6) 呼びかけ人・榊田隆之&高橋一朗発起人限定講演会ご招待(24年7月開催予定/オンライン・アーカイブ配信あり)

200,000 円

0 人

配送方法:メール

(1) 活動報告メール送信
(2) SBCサイト名前掲載(大/ロゴ可)
(3) SBC発起人証送付(PDFファイル)
(4) ドイツ訪問調査発起人限定報告会当日資料&レポート送付
(5) ドイツ訪問調査発起人限定報告会ご招待(24年5月開催予定/オンライン・アーカイブ配信あり)
(6) 呼びかけ人・榊田隆之&高橋一朗発起人限定講演会ご招待(24年7月開催予定/オンライン・アーカイブ配信あり)